【d,!】自分が愛されるなんて思わないやん？【k,n主人公】

オスマン編４ ページ44

オスマン視点

彼に接触した。メンバーたちはいい子いい子だと言っているだけで詳しいことは教えてくれなかった為、彼のことを試したのだ

そうしたらどうだ。彼は落ちたタオルを開い上げた上に持ち主まで健気に探そうとしてくれた

心優しいその彼の行動に他の奴らとは違う何かを感じて、俺は彼に近づいた。そして、お礼といいながら俺とひとらんだけが利用する場所に連れて行った

大概の人は、あそこを素敵ともいい場所だとも言わない。言ったところで、心の奥では悪態をついているのが表情から浮かび上がってくる

なのに、彼にはそれがない。ただ素敵だと、綺麗だと思った心だけが素直にはっきりと瞳と表情に表れていたのだ

こんなことがあるのだろうか。グルッペンたちでさえ中々立ち寄ることもないあの場所に、そんな感情を抱くことがあっていいのだろうか

否定する気はない。勿論だ。だが、余りにも新鮮過ぎて反応に困ってしまった

オ「でもまあ、あの子やったら賛成めう」

所作も申し分なく、純粋な心と相手を思いやる心。それらを持っているだけで、俺たちから宝物のような扱いを受けることとなる

彼はそれを知らない。また、彼を認めた俺たちの目的も望みも彼はまだ知らない。少しずつ堕としていくしかないだろうが、彼を腕に抱ける日が来るというのなら俺は喜んでその役を受け持ちたい

しかし、、、まさか足を怪我"させられた"ことに気がついてすらいなかったというのは、、余りにも危険すぎないだろうか

彼の軸が左になるように腕を掴んだのは俺だけれど、彼はそれに対して左を軸にすることに抵抗しなかった。それどころか、くっと痛みに耐えるような表情を浮かべた事自体に驚いていたようだ

彼自身、どうしてと言いたそうな顔をして自分の足に視線を向けた。その動作は余りにも彼をか弱く見せてしまう

これはこれは、、、どうやら本格的な保護が必要になってくるようだ

それに、俺は"わざと"ここに連れてきた。ここから彼の寮に戻るまでの道は少し複雑で、入りたての彼はそもそも道を知らない。迷って歩き回るのが目に見えている

オ「ぺ神、多分そろそろやで」

し「りょーかい。任せて」

足を痛めたと気がついた彼ならば、歩き回ることは避けたいと思っているだろう。それに、あの様子では保健室には向かってくれないだろう

オ「後は任せたで、お二人さん」

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