45 困らせるってわかってるけど ページ10
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鶴房から背を向けて、とにかく人がいない所に行きたかった。
随分離れてから廊下にしゃがみ込む。
え？好き？私を？
つい逃げ出してしまったけど冷静になって考えると私もしかしてとんでもないこと言われたよね？
そして次の瞬間、ぐるぐると考え込んでいた私の腕は誰かによって引っ張られた。
『っ、わ』
木全「A」
木全は私の名前を読んで、目線を合わせるようにしゃがみ込んだ。
やばい、こんなところで何してるんだろう木全。
…てかあなた泣きそうだけど大丈夫？
木全「汐恩に、告白されてたね」
『…え』
木全「ごめん見ちゃった」
『…え！？』
木全「え、しか言わないじゃん」
見てた？木全が？さっき？？
衝撃的すぎて口をパクパクさせる私を見て、木全はなんとも複雑な表情で私の手をにぎにぎといじる。
木全の綺麗な細い指についているリングがヒヤリと冷たい。
木全「どうすんの、A」
『どうすんのって言われても……』
木全「…だよねぇ」
必死に回らない頭を動かして答えると、いつもの興味ありげに聞いてから虚無になるパターン。お決まり。
木全は誰が私と付き合おうが何しようが全然興味なさそうじゃん、って言おうと思った瞬間。
私の目を真っ直ぐ捉えて離さない木全。
ねえ木全。さっき見たよ、その目。
木全「困らせるって分かってるけど、言っていい？」
そう言う木全はあまりにも自然体で、寝坊したくないから明日起こしてよ、みたいなことを言い出す空気感だった。
木全は「先越されたから薄れちゃうかもしれないけど」と前置きする。
いつものふわふわと流れる、平和な空気感。
木全「俺も好きみたいなんだよね。Aのこと」
木全の口から出た言葉はそんなに平和なものじゃなかった。
パニックでくらくらと目の前が回ったような気がして、私は思わず立ち上がった。ダメだ、また逃げ出したら。
木全はごめん、と謝って私と同じように立ち上がる。
木全「汐恩の見て、焦って言っちゃった」
『あの、木全…』
木全「今すぐにじゃなくても俺のこと好きになってほしいなって、思って…」
いつもの癖なのか、そう言って鼻の先をかく。
その後は『少しだけ、一人にして』とだけ言って別れたような気がするけど、恋愛耐性がない私はひたすらにパニックを起こしていた。
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マァ(プロフ) - 久しぶりに読んでも楽しいし泣けました。 (2023年2月24日 11時) (
レス) @page50 id: 72e8f2e0cc (このIDを非表示/違反報告)
雪りんご(プロフ) - こんにちはりんごじゃむさん！日プの新作とか出すつもりあるでしょうか？？すごくみたいです！！ (2020年8月13日 4時) (レス) id: d343e70c28 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - go to the topさん» こんにちは、返信が遅くなってしまい申し訳ありません！転載のお話ですがもちろん可能ですよ！！私の作品が多くの中国JAMの方に読んでもらえることを心から願っています！その際はぜひ名前の記入をお願い致します！ (2020年8月9日 19時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
go to the top - こんにちは、りんごじゃむ先生！翻訳してからLOFTERに転載してもいいですか。中国にもJAMがたくさんので、原作者を明記するのを忘れられない。 (2020年7月10日 16時) (レス) id: d57e1e7b99 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！他の作品も楽しみにしています！ (2020年6月28日 4時) (レス) id: 5f1fa35d0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごじゃむ
| 作成日時：2020年3月30日 18時
