52 全然伝わってなかった ページ17
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木全「はぁ〜なんでこういうとこばっかり遭遇しちゃうかなあ、俺」
『ぎぇっ、きっ木全…』
なんと医務室に入ってきたのは木全。
さっきの一連の流れ見られてたら死ぬんだけど。変な声出たわ。
鶴房は、木全が私に告白してきたことと自分が告白した現場を木全に見られていたことをダブルで知らないらしく、普通にやべっ、みたいな顔をした。
いやまず最初にキスしたことに関して説明していただけないと今晩も眠れないんですけど??
木全「言ってなかったけど、汐恩。俺も好き」
鶴房「……えっ、俺のこと…?」
木全「な訳あるか!ばか!」
本気でそうだと思ったらしく超びっくりする鶴房。やっぱりバカなんだなこいつ。
さっきの緊張感返せよ…
木全「Aに告白した、汐恩の後。ごめん言い出せなくて」
鶴房「あ、そうなん?」
木全「えっめっちゃアッサリしてんね?」
鶴房「好きなことくらい見てればわかるやろ」
驚く木全と私を気にする様子なく、「じゃあ俺夕飯まだ途中やし、言いたいこと言ったから行くわ」とだけ言い残して部屋を出て行った。台風のようなやつだな。
そして私は木全にもちゃんと伝えようと思い、鶴房と入れ替わりでベッドに座った木全と目を合わせた。
『……まあ、そう、だから、アイドルになってデビューしてほしい』
木全「うん」
『でも縁は切りたくないっていう、わがまま…です』
木全「………あーそれは、きゅんとくるわ」
恐る恐る木全の方を見ると、立ったまま片手で顔を覆うように隠している。
そして木全は「俺もちゅーしよっかな」とふざけたように言いやがったので私の怒りスイッチを押しました。あやとりの紐投げつけた。
このまま友達でいてくれ、って意味なのにまさか2人とも伝わってないの??嘘だろ??
木全「まあ知ってると思うけど、俺も好きなのやめてあげないから」
『お、おっふ…話聞いてた…?』
木全「あはは、もう一回言おうか?」
『いいってば!』
木全「好き、Aが一番好きだよ」
『まじでやめて』
珍しく真剣な顔をした木全に改まって言われて私の中の羞恥心が無理。悲鳴あげてる。
無駄に顔が整っているのに「てかあやとり教えてよ」なんてこれまた雰囲気ぶち壊し始めた木全にあやとりを2時間近く教え込んだ。
夕飯を食べ終えて途中から合流してきた鶴房と楽しそうに笑う木全があやとりでふざけ始めて、なんだか笑いがこみ上げてきた。
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マァ(プロフ) - 久しぶりに読んでも楽しいし泣けました。 (2023年2月24日 11時) (レス) @page50 id: 72e8f2e0cc (このIDを非表示/違反報告)
雪りんご(プロフ) - こんにちはりんごじゃむさん!日プの新作とか出すつもりあるでしょうか??すごくみたいです!! (2020年8月13日 4時) (レス) id: d343e70c28 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - go to the topさん» こんにちは、返信が遅くなってしまい申し訳ありません!転載のお話ですがもちろん可能ですよ!!私の作品が多くの中国JAMの方に読んでもらえることを心から願っています!その際はぜひ名前の記入をお願い致します! (2020年8月9日 19時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
go to the top - こんにちは、りんごじゃむ先生!翻訳してからLOFTERに転載してもいいですか。中国にもJAMがたくさんので、原作者を明記するのを忘れられない。 (2020年7月10日 16時) (レス) id: d57e1e7b99 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました!他の作品も楽しみにしています! (2020年6月28日 4時) (レス) id: 5f1fa35d0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:りんごじゃむ | 作成日時:2020年3月30日 18時