51 一緒にいたいから ページ16
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いつも通りの会話。
いつも通りの鶴房。
ただいつもと違うのは、その鶴房が心底辛い顔をしているということ。
私が鶴房の思いから逃げてしまったことの罪の重さが、ずしりとのしかかってきたような気がした。
私は無意識のうちに鶴房と木全を傷つけていたんだ。
…ちゃんと伝えなくちゃダメだ。
『ごめん、鶴房』
鶴房「ん、なに？」
『本当は告白されたとき縁切ろうかなとか思った』
鶴房「は？？」
『でも、出来なかったんだよね』
手元にあったあやとりの紐をいじりながら、私は小さく呟いた。
…いやあの今説明するからそんな目で見ないで。
ぐーーっ、と眉間にシワが寄って、俺不機嫌ですよ感満載。怖い怖い怖い。
『…いや、なんか、今まで一緒にいたこととか思い出して』
鶴房「…おう」
『もう話せなくなるのかって思うとちょこっとだけ辛かった』
鶴房「……おう」
『だから、悪いけど縁は切れない』
と、そこまで言ったところで鶴房は手を伸ばして私の指先を引っ張った。
「俺、最初から縁切るつもりで告白したんちゃうけど」って言われて確かにそうだわって思ったよね。
『で、そんな縁を切りたくない鶴房汐恩には世界で輝くアイドルになってほしい』
これが、私の答え。
この言葉がどういう意味かなんて多分鶴房なら分かってくれるはず。
鶴房はいつの間にか、私より一回り大きい手で手全体を掴んだ。
そして手を握ったまま下を見て「はぁぁ〜…」となぜかデカいため息をつかれる。
パッと上げた鶴房の顔が赤くて、こっちまでつられて恥ずかしくなってきたんだけどなんでお前顔赤いの？
鶴房「…ほんまにそれ、素で言ってんの？」
『え、何が？』
鶴房「ごめんやけどやっぱり諦められんわお前のこと」
『…は？？』
鶴房「あ〜あ！！せっかく盛大に振られてやろうと思ってたのに」
『えっと、鶴房さん話聞いて…っ、』
一気に近づく私と鶴房の距離。
そしてその瞬間触れた柔らかい口元。
鶴房「俺、一回好きになったらしつこいから」
そう言っておでこをコツン、とくっつけて「デビューもお前も、どっちも手に入れる」となんともキザなセリフを言い捨ててゆっくりと離れた。
そして私は鶴房に何をされたのか理解するのにしばらく時間がかかって仏像のように固まった。
不本意だけど徐々に顔が熱くなってきて、病み上がりだけど全身人霊でぶん殴ったよね。えっホント何してんの？
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マァ(プロフ) - 久しぶりに読んでも楽しいし泣けました。 (2023年2月24日 11時) (
レス) @page50 id: 72e8f2e0cc (このIDを非表示/違反報告)
雪りんご(プロフ) - こんにちはりんごじゃむさん！日プの新作とか出すつもりあるでしょうか？？すごくみたいです！！ (2020年8月13日 4時) (レス) id: d343e70c28 (このIDを非表示/違反報告)
りんごじゃむ(プロフ) - go to the topさん» こんにちは、返信が遅くなってしまい申し訳ありません！転載のお話ですがもちろん可能ですよ！！私の作品が多くの中国JAMの方に読んでもらえることを心から願っています！その際はぜひ名前の記入をお願い致します！ (2020年8月9日 19時) (レス) id: 009a13994c (このIDを非表示/違反報告)
go to the top - こんにちは、りんごじゃむ先生！翻訳してからLOFTERに転載してもいいですか。中国にもJAMがたくさんので、原作者を明記するのを忘れられない。 (2020年7月10日 16時) (レス) id: d57e1e7b99 (このIDを非表示/違反報告)
rin(プロフ) - めちゃめちゃ面白くて一気に読んでしまいました！他の作品も楽しみにしています！ (2020年6月28日 4時) (レス) id: 5f1fa35d0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：りんごじゃむ
| 作成日時：2020年3月30日 18時
