噺／３８ ページ38
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漸く今日、私は退院した。
短くなった私の髪を見て、祖母と祖父が悲しそうな顔をした。どうやら、死 んだ母とそっくりだったそうだ。両親にも幼い時から髪を褒められることが多かった。と、云うことでまた伸ばすことにする。
「退院おめでとう」
「ありがとうございます！」
何故か過保護な探偵社の皆さんがじゃんけんをし、勝った方が私のお迎えに行くという謎のシステムで、太宰さんが迎えに来てくれたらしい。……過保護すぎじゃないかな？
探偵社へと向かう道のり、太宰さんが不意に近くのコンビニ行こうか的なノリで、軽く云った。
「Aちゃんがこの前云っていた、唱えたもの。多分異能力だよ」
「む？」
私の変な返事を聞き、大笑いしている隣の自 殺愛好家の爪先を思い切り踏み、もう一度聞き直す。
「わんもあぷりーず？」
「本当に英語苦手だよねえ」
「うっさいです。さっさと説明せんかい」
「ますます扱いが酷くなってない？」
小言をスルーして、説明を促す。
太宰さんはため息をこぼしながらゆっくりと口を開いた。
「Aちゃんが倒れた後、頭と思われる男は倒れ、おばちゃんは無傷で倒れていた。そして、Aちゃんは花に囲まれながら眠っていた。」
「花に囲まれ…？」
今まで少しはぐらかされていたこともあり、必死に理解しようとするがいまいちよく分からない。
眉を顰める私を見て、太宰さんは言葉を付け足した。
「私は其れが起こったのは、Aちゃんの異能力が発動したからだと考えた。きっとその異能には対価が必要。だからAちゃんは長い間目を覚まさなかった……、とね」
情報を整理して、此処まで推理できるのは、流石太宰さんとしか云えない。
そう云われると確かにそんな感じがする。
記憶の中のぼんやりとした場面が、徐々に思い出されてきた。
「無意識だったけど私、こう云いました。」
______異能力『ネガウモノ』
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お嬢(プロフ) - こんにちは！えっと……1話目で異能力の時点で気づけよ！とありますが、どういう意味でしょうか？ (2016年12月1日 17時) (
レス) id: 989eae2896 (このIDを非表示/違反報告)
とみー - 凄く面白いです！あとよかったらですが絵を描かせて頂けないでしょうか...(･ω･`) (2016年11月13日 22時) (レス) id: a2712d12f1 (このIDを非表示/違反報告)
きたにゃん(プロフ) - 華京院アリスさん» コメントありがとうございます！私もすごく書けるという訳ではないのですがそれでもよろしければ。そうですね…、やっぱり文と文との空白はある程度開けた方がいいと思います！私の場合、文庫本などの書き方をよく読んでいるのでそれに近い書き方になっているのかなと。 (2016年9月13日 7時) (レス) id: dabed5a637 (このIDを非表示/違反報告)
華京院アリス(プロフ) - はじめまして！読ませていただきました。すっごく面白いです！そんな発想があったか！って思いました。私は最近小説書き始めたばっかりで全然うまく書けないので尊敬しちゃいます！迷惑じゃなければアドバイスとかもらってもいいですか？更新楽しみにしてます！ (2016年9月12日 20時) (レス) id: 270ea87993 (このIDを非表示/違反報告)
きたにゃん(プロフ) - そんなことありませんよ！笑笑 楽しく見ていただけているのなら嬉しいです！更新頑張りますね (2016年9月6日 19時) (レス) id: dabed5a637 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きたにゃん | 作成日時：2016年8月23日 19時
