噺/21 ページ21
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「ご、ごめんね…。私も何処か分からなくて」
私がそう云うと、「私迷子じゃない」と女の子は瞳を瞬かせながら首を傾げて云った。
…え、迷子じゃないの?
自分よりも幼い少女が迷子ではないと云うのに、ずっと年上の私が迷子になっていると云う事実に少しショックを受けていると、女の子はますます首を傾げた。
「…ネコ?」
「そ、そうだよ」
ほら、と云って猫を持ち上げると、彼女は興味深そうに猫を見つめた。
…もしかして
「猫、あまり見たこと無かった?」
「これまであまり興味が無かったの。…可愛い」
目線を逸らさずに答えた女の子に思わずくすっと笑い、猫を持ち上げる。
その子の方に近づけると、彼女は恐る恐る猫に触れた。
暫くその様子を眺めていると、猫は私の腕から抜け出し路地裏の奥の方へと進んでいった。
「貴女は何故此処に?」
「…エリス。」
「エリス、ちゃん?」
そう呼ぶと、エリスちゃんは嬉しそうに頷いた。
何でも、保護者の方が買い物をしていてつまらなかったので、こっそり抜け出してきたらしい。…いいのかな。
「貴女は何て云うの?」
「私はAだよ」
「A、A……。分かった!」
エリスちゃんは自慢気にふふん、と笑った。
…可愛い!
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お嬢(プロフ) - こんにちは!えっと……1話目で異能力の時点で気づけよ!とありますが、どういう意味でしょうか? (2016年12月1日 17時) (レス) id: 989eae2896 (このIDを非表示/違反報告)
とみー - 凄く面白いです!あとよかったらですが絵を描かせて頂けないでしょうか...(・ω・`) (2016年11月13日 22時) (レス) id: a2712d12f1 (このIDを非表示/違反報告)
きたにゃん(プロフ) - 華京院アリスさん» コメントありがとうございます!私もすごく書けるという訳ではないのですがそれでもよろしければ。そうですね…、やっぱり文と文との空白はある程度開けた方がいいと思います!私の場合、文庫本などの書き方をよく読んでいるのでそれに近い書き方になっているのかなと。 (2016年9月13日 7時) (レス) id: dabed5a637 (このIDを非表示/違反報告)
華京院アリス(プロフ) - はじめまして!読ませていただきました。すっごく面白いです!そんな発想があったか!って思いました。私は最近小説書き始めたばっかりで全然うまく書けないので尊敬しちゃいます!迷惑じゃなければアドバイスとかもらってもいいですか?更新楽しみにしてます! (2016年9月12日 20時) (レス) id: 270ea87993 (このIDを非表示/違反報告)
きたにゃん(プロフ) - そんなことありませんよ!笑笑 楽しく見ていただけているのなら嬉しいです!更新頑張りますね (2016年9月6日 19時) (レス) id: dabed5a637 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きたにゃん | 作成日時:2016年8月23日 19時