おれ、振られました【月永レオ】 (ページ22)

今日:2 hit、昨日:44 hit、合計:21,151 hit

20. ページ22

*

ｰ数日後レオの部屋ｰ

「わはは！できたできたっ！世に残り語り継がれる名曲の完成だ！☆」

『お疲れ様、レオくん。』

「ん！付き合ってくれてありがとな！」

周りに散らばってしまった楽譜を1枚1枚丁寧に拾って並べ直し、まとめてくれるAは今日もお淑やか！

先日のセナハウスでのAは、意外にも物怖じすることなく、その腕の素晴らしさを知らしめた…なんて強かさは感じられない

これがギャップ萌えってやつ？ナルが言ってたんだけど。

『もうすぐなんだよね？えーっと、スタフェス？大丈夫？こんなギリギリで...』

「うんっ！これは明日セナに渡すし、おれたちには2週間もあれば楽勝楽勝♪」

ふふん！とドヤ顔をすれば、『さすが笑』と少しだけ苦笑した。

そうやって少しだけ談笑をして、そろそろ自分の家に帰ると言い出したAは、荷物をまとめて部屋のドアに手をかける。

「まって」

まだもう少し話したい、もう少しおれの隣にいて欲しいなんて下心ありきの、けれどそれを隠しておれはその白い手に自分の手を後ろから重ねる

「おまえに、渡したい物があるんだ」

『渡したいものって…っ！』

不意にクルッとこちらを向いたもんだから、その距離があまりにも近くて一瞬心臓が止まる

このままもうちょっと、あとほんの数センチ近づけば、ちゅーなんて容易く出来ちゃうくらいで

この間はほっぺだったけど、付き合えるまではしちゃダメだ！って自分の煩悩をけちょんけちょんにしてやる。

「っ…これ、そのスタフェスのやつだからさ！Knightsからの早めのクリスマスプレゼントだっ！」

『チケット？』

その手に握らせたのは例のスタフェスのチケット

KnightsのメンバーがAの事を甚く気に入ったらしく、絶対に呼べ！と圧がすごいもんだからさ。

元よりライブの少し前に手渡す予定だったんだけど、Aの都合もあるんだろうし今のうちに予約しておこうと思ったんだ。

『い、いいの？これ、貰っちゃって…ルカちゃんとかは』

「ルカたんのは別で用意してるからいーのっ！だから大人しく貰ってくれ！」

『でも…！』

「おれたちのライブ来たくないのか？」って少ししょげて見せれば、そうじゃないと食い気味に反論してきてそのチケットをそっと鞄にしまってくれた。

案外ちょろいところも昔から知ってるから、Aの扱いはお手の物なんだぞ

そんなこと、ご本人様は気づきもしないだろーけど！