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5.* ページ6

*

まだAは入学したばかりだったのに。


「好きなやつって誰だ??」

『3年の人!』



きっとおれの知らない奴だ。
おれの知らないところで、知らない奴と仲良くなって、おれの知らない恋愛をAは始めた。



そう考えたら少しモヤッとした気がして、だけどその時は気づかないようにそっと蓋をしたんだ。


*


*


*


ある日の放課後、いつも通りAと帰るために下駄箱に向かっていた時。

玄関前で先に立って待っていたであろうAを見つけておれは声をかける。


「Aお待たせ!帰ろ!」

『...』


だけど反応はなくて、おーい!って声をかけてもやっぱり反応は無い。


「あ...」


ただじっと見つめるその視線の先をたどれば、楽しそうに会話をしながら下校する男女が居て、ちらりと見えたリボンとネクタイは3年生の色を示していた。

お揃いのキーホルダーも...目に入ったんだ。


きっとあいつだったんだ、Aの好きなやつ。


「A」

『...あー、えへへ。部活の先輩なんだ!あの人。...そっかぁ、付き合ってるのかなぁ...あはは、知らなかったなぁ』


おれがもっと早くここに来てれば

Aは好きな人に彼女がいるとか気づかなくて済んだのかな



おれがもっと____

あいつなんかより先にAに振り向かせてたら。


『...レオくん?』

「おれ、Aのことずっと前から好きだった。」


*

6.→←4.*



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作者名:なこ | 作成日時:2023年1月29日 20時

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