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毎日のように繰り返されて、やや飽きてしまいがちになる長い午前の授業の終わりを知らせるチャイムが学院に鳴り渡る。
ONとOFFはしっかり分けるのが俺の中の鉄則で、さっさと持っていたペンを手放し、手を握っては開きを繰り返して、軽い手の運動をした。
そしてまたこれも、日課になりつつある、隣で突っ伏して本気で寝ているソイツを盗み見る。
結局起こしてやったのに、『あぁ、あ、ぅ、』と言って一限目が始まる前にかなり鈍い音と共に再び机に突っ伏したもんだから、もうそれ以上声は掛けなかった。
各教科の担任も、まるで腫れ物を扱うかの如く、授業中堂々と寝るソイツには注意も何もしない。
可哀想だよねぇ。かつては『学院の頂点』『最強の女王』なんて崇められ、信者共に崇拝されていたのに。
今では『滑稽な女王』なんてレッテルを貼られて、先生たちからも腫れ物扱い。
ホント、可哀想。そんな哀れな女王1人さえ、救えない俺も。毎日何をしてるかも分からない、アイツでさえも。
「ちょっと起きな。」
『うん、ん…ふぁ、…瀬名、くん？』
「今から俺と付き合って。お昼持って付いてきな。」
『んふふ、哀れな女王にだって人権はあるんだぞ〜…？』
肩を揺さぶれば、ソイツは顔を上げて寝ぼけ眼で笑った。久しぶりに、視線が合った気がして、少し昔に戻った気分に陥る。
ああ、また。不快な思いをした。過去に縋る自分に心底吐き気がする。
時間を1秒たりとも無駄にしたくないので、ママに作ってもらったお弁当を片手に足早に教室を出る。
後ろからは小さく、パタパタと俺を追いかける足音が聞こえて、ちゃんと付いてきてるなとそれだけを頼りに俺は1つの空き教室へ。
『うっ、暫く使ってないから埃っぽ…ここでお昼なの？』
「窓開けようか。」
端に寄せられた机と椅子を窓際に持ってきて、俺たちは慣れた手つきで窓を開ける。まあ、どことも作りは変わりないし、慣れてると言えば当たり前なのだけど。
『んー、夏が近いねぇ。』
「まだ5月でしょ。寝すぎで時差ボケでもしてるわけ？」
柔らかい風が吹く。机たちを引っ張ってきた時多少、掃除はしたのだけれど、それでも舞う埃には敵わない。
仕方ないので、窓を閉めて、ひとつの机を前後から挟む形で椅子に腰をかける。
俺は持参したお弁当を広げたが、目の前のソイツは髪を指で弄ぶだけで、何かを取り出したりする気配はなかった。
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なこ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます~！そう言ってもらえて嬉しいですっ！これからも是非読んでやって下さい…！ (2023年3月6日 21時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ほんとにこの作品に出会えて良かったです！！設定からお話全てが最高です！！！陰ながら応援してます！！ (2023年3月4日 23時) (レス) @page34 id: 6a12c2dc89 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - お醤油さん» わー！コメントありがとうございます！個人的にはもう終わりまで決まってるので、スピード完結しそうですがこれからも、是非読んでいただけると…！頑張りますっ！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page5 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
お醤油 - もう本当に面白いです！一気にスラスラ読んじゃいました！もう設定から好きすぎる…これからも作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2023年3月3日 21時) (レス) id: b53313ac14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なこ | 作成日時：2023年2月27日 19時
