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｢さあ、観念しろ女王さま！おまえの後ろは壁があるのみ！大人しくお縄につけっ！｣
『ぜーったいに！イ！ヤ！』
｢足掻いても無駄なんじゃない？王さま、引く気ないみたいだけどぉ。｣
ホコリの被ったとある空き教室で、あたしはひんやりと冷たい壁に背中をつける。
目の前には、悪い笑顔を浮かべた月永くんと、呆れ顔の瀬名くんが立ちはだかる。
月永くんの手には、｢良くない物｣が握られていて、ソレを着ろ！と言わんばかりにジリジリと近づいてきて……
逃げたいのに後ろは壁なので、もうどうしようも無い。
｢年に1度！せっかくのハロウィンなんだぞ！仮装しなきゃ勿体ないって、セナも思うだろ〜？ほらほら、さっさと着替えろ！そしておれに
｢すっごい一息で喋るねぇ。｣
グイッとソレを押し付けられる。
すると、すぐさま月永くんと瀬名くんは後ろを向いて、微動だにしない。
え、待って？ここで着替えろってこと？
ふたりがいる場所で？
『……せめて出てってよ！』
｢うわわわ！？セナ、退避！！｣
｢そのほっそい腕で椅子なんかぶん回さないでくれる！？｣
少しばかり暴れると、2人は教室の外へと出ていって、扉の向こうからは、｢着替えたら教えろよ！｣と圧を掛けられる。
ここが１階だったなら、窓から逃亡でもしてやろうと思ったのに。
『どこでこんなの見つけたのよ…既製品？それとも手作り…？』
手渡されたソレ…｢仮装用衣装｣とは、随分とふわふわした｢メイド服｣。
ご丁寧にパニエ付きで、袖を通せばスカートは膝より少し上位の、本当にふわっふわな仕上がり。
それが、アイドル衣装みたいで、あたしはまた勝手に胸が締め付けられる。
『ねぇ、着たけど…どこでこれ手に入れたの…？』
｢｢！！｣｣
扉を開けて控えめに声をかけると、こちらを向いた2人はまた微動だにしない。
目をまん丸にして、月永くんは開いた口が塞がらないようだ。
一方、瀬名くんは最初こそ固まっていたものの、思い立ったように、何処からか取り出したメイクポーチを片手に、あたしをそこら辺の椅子に座らせる。
｢俺が完璧に仕上げる。｣
『待って、目が本気。』
正面に仁王立ちをする瀬名くんの目が、割と結構本気で、モデルとしての腕がなる、とニヤリと笑った。
扉の近くにいる月永くんを盗み見ると、相変わらず立ち尽くしている。
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なこ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます~！そう言ってもらえて嬉しいですっ！これからも是非読んでやって下さい…！ (2023年3月6日 21時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ほんとにこの作品に出会えて良かったです！！設定からお話全てが最高です！！！陰ながら応援してます！！ (2023年3月4日 23時) (レス) @page34 id: 6a12c2dc89 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - お醤油さん» わー！コメントありがとうございます！個人的にはもう終わりまで決まってるので、スピード完結しそうですがこれからも、是非読んでいただけると…！頑張りますっ！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page5 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
お醤油 - もう本当に面白いです！一気にスラスラ読んじゃいました！もう設定から好きすぎる…これからも作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2023年3月3日 21時) (レス) id: b53313ac14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なこ | 作成日時：2023年2月27日 19時
