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訳あって、「世界」を知った。その広さに、「おれの世界」はあまりにも狭かったのだと気づかされた。
「勝負しよう…....ううん思いっきり遊ぼっか、新入り♪」
目の前の奴にそう言葉を綴れば、「of course」と流暢に答えた。
観客席に向き直ると、最後列の更にその奥で、金色の瞳にいっぱいの涙を溜めて、嬉しそうに笑う女の子の姿があった。
それは、おれがかつて見失ってしまった太陽で、ライブ中でさえ
いま、おれの目の前に立つ者は居ない。
何度かそんな事はあったけれど、あいつが、...Aが居た頃は、目の前でパールホワイトの髪を揺らし、スカートを靡かせて、可愛らしい声で愛を唄った。
後ろから見るその「景色」は圧巻で、同じ舞台の上に居るのに飲み込まれそうになるくらいだった。
「(また、おれの作った曲を歌って)」
願いを叶えてもらったけど、更に願ってもいいのなら。直接そう伝えたい。
もう1人で前を歩かせたりなんかしないし、おれはきっと大丈夫だから。
大切な思い出を壊そうとしちゃうような、馬鹿なヤツだけど、セナとAと過ごした1年をもう無駄にしたくは無いから。
「あらためまして！おれが"Knights"の王、月永レオだ！久しぶりのやつは久しぶり！初めましてのやつは覚えて帰れ！忘れたって構わない、何度でもこの名を刻んでやるからさっ！」
両腕を広げれば、求める歓声が湧き上がる。舞台袖からはおれの「騎士たち」が駆け寄ってきてくれる。
おかえり、とセナが柔らかく微笑んでくれた。
『おかえり、れおくん』
「！」
未だ遠巻きにこちらを見るAが、聞こえずともそう言ってくれた気がした。
溜まった涙は、ボロボロと零れていって、Aの雰囲気をより一層の儚く、けれど美しいものにしていた。それに、思わず息を飲む。
おれを求める声は、「武器」だけを求めているんじゃないんだと気づかせてくれた。
吹っ掛けた"ジャッジメント"はおれの敗北に終わり、そして"Knights"の再スタートを切る結果となった。
最悪の結果にはさせない、と芯のある瞳が、怖がるおれの背中を押してくれた。
だから
「おれはずっと歌い続けるよ、この想いが届くように！」
在り来りな、アイドルが零すようなセリフは、ちゃんと響いてくれただろうか。
戻ってきてくれるのをずっと待ってる、怖いなら背中を押してやる。おまえが、おれにそうしてくれたように。
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なこ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます~！そう言ってもらえて嬉しいですっ！これからも是非読んでやって下さい…！ (2023年3月6日 21時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ほんとにこの作品に出会えて良かったです！！設定からお話全てが最高です！！！陰ながら応援してます！！ (2023年3月4日 23時) (レス) @page34 id: 6a12c2dc89 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - お醤油さん» わー！コメントありがとうございます！個人的にはもう終わりまで決まってるので、スピード完結しそうですがこれからも、是非読んでいただけると…！頑張りますっ！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page5 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
お醤油 - もう本当に面白いです！一気にスラスラ読んじゃいました！もう設定から好きすぎる…これからも作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2023年3月3日 21時) (レス) id: b53313ac14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なこ | 作成日時：2023年2月27日 19時
