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『所でお聞きするんだけど、いま何時かな？…スマホ、多分教室なんだ。』
「肌身離さず持っておけ、とは思うけど。まぁ今回は大目に見てあげる。今は16時半、ってもうこんな時間な訳ぇ。俺はレッスンに行くけど…」
「あんたはどうするの？」と瀬名くんは言葉ではなく目で問いかけてきた。無論、行くはずなどない。
きっと、現Knightsは歓迎してくれるのだろうけど、その優しさに触れて沼に落ちて、ふとした時にうっかり壊して、失ってしまうのはもうゴメンだ。
『あたしは…いいや、行かない。』
目を逸らした。
行くって言ったら、瀬名くんは笑ってくれただろうか。現Knights、とは言ったものの、正直瀬名くんがどう思うのかは分からない。
「あ、そう。分かってたけど。じゃあ、また後でくるから〜」
『え！？また来るの！？』
「なぁに、悪い？あんたを1人で帰すわけに行かないでしょ。俺が戻ってくるまで大人しくしててよねぇ。」
そう言って瀬名くんは、「お腹すいたら食べていいから」と持ってきたコンビニ袋を椅子に置いて、来た時と同様にカーテンを開けこちらを見もせず、ヒラヒラと手を振った。
さっきゼリー食べたばかりなのだけど。何が入っているのか気にはなったので、『ありがと神様仏様瀬名泉様』と唱えて袋を物色する。
『スポドリ、紙パックジュース、ランチパックに、ストレス軽減チョコ？』
瀬名くんならほぼ確実に買わないであろうそれ等を見て、あたしはクスッと笑みをこぼす。あたしの為と言わんばかりのラインナップに、瀬名くんの小さな優しさを感じる。
そして、また「優しくされていい存在じゃないのに」と自分への嫌悪感に襲われた。
『ひまだなぁ。』
1人の保健室はこれでもかと言うくらい暇だった。スマホも、小説も、時間つぶしできるものは全部教室の、あたしの鞄の中。
取りに行っても良いんだけど、万が一、無いとは思うけどばったり瀬名くんと鉢合わせた時はお説教されるので、それを考えて萎えたので諦めた。
若しくは、言うことを聞かずに速攻帰る事も出来るけれど、明日もっと恐ろしい事をされそうで、萎えるどころか恐縮して辞めた。
大人しく、彼が迎えに来てくれるまで寝ていようかな。そう思って布団を被ろうとした時、シャッと勢いよくカーテンが開けられる。
「あれぇ、先客…？」
声の主は黒髪を揺らし、その赤い瞳であたしをジッと見つめて、「久しぶりだねぇ、女王サマ」と近づいてくる。
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なこ(プロフ) - ゆいさん» コメントありがとうございます~！そう言ってもらえて嬉しいですっ！これからも是非読んでやって下さい…！ (2023年3月6日 21時) (
レス) id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
ゆい(プロフ) - ほんとにこの作品に出会えて良かったです！！設定からお話全てが最高です！！！陰ながら応援してます！！ (2023年3月4日 23時) (レス) @page34 id: 6a12c2dc89 (このIDを非表示/違反報告)
なこ(プロフ) - お醤油さん» わー！コメントありがとうございます！個人的にはもう終わりまで決まってるので、スピード完結しそうですがこれからも、是非読んでいただけると…！頑張りますっ！ (2023年3月3日 23時) (レス) @page5 id: b90089acae (このIDを非表示/違反報告)
お醤油 - もう本当に面白いです！一気にスラスラ読んじゃいました！もう設定から好きすぎる…これからも作者様のペースで更新頑張ってください！応援してます！ (2023年3月3日 21時) (レス) id: b53313ac14 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なこ | 作成日時：2023年2月27日 19時
