四十一 ページ41
『おぉ、そういえばシトリー久しぶり〜』
『飄々とした性格は相変わらずですね』
『もっと優しく云ってくれたら嬉しーんだけどなぁ。女の子みたいで可愛いくせに性格は可愛げがない』
『うるさいですよ』
「え?『シトリー』って女じゃねーの?ってそんなことは今はいいんだよ!さっきの質問答えろ!」
『シトリーはいわゆる男の娘ですよ"マギ殿"』
『黙ってなさい』
『はいはい。そうだなぁ…なんて云おうか…』
『簡単です。白雪様の御母上、エル様がその"もう一つのジン"を所有していたんです』
「母上が?」
『はい。普通なら所有者が亡くなってしまえば我々ジンは『迷宮』へと戻りますが、その"ジン"、"ロノウェ"は我々とは少し違うジンなのです』
『そうそう。"あの爺さん"は俺達とは別の形で生まれてきたというか、"役目"があるんだよ』
「役目…?」
『そこはおいおいわかってきますが、今はそれ以上を申し上げることごできません』
『話すことは出来ないけど、"爺さん"呼び出せるんじゃないですか?"マギ殿"。この宝物庫で俺を呼び出したのも、あまり魔力を消費しないからですよね。『迷宮』の外だと"マギ殿"とはいえ、疲れますから』
「俺を弱いみたいな云い方すんじゃねーよ」
神官殿はそう云い、私の短刀に触れた。
短刀が光だした途端、冷気が出てきて肌寒くなった。
寒さが感じられることを嬉しく思っていたその間に『ジン』『 ロノウェ』が出てきた。
蒼い龍の姿をしていた。体の一部には氷の結晶があった。冷気を吐き、一呼吸した。
「おまえが『ロノウェ』だな」
『……』
「何か云え!」
無視すんなと神官殿は『ロノウェ』を指さして怒った
『あ〜……ロノウェ……でしたな……』
喋った。喋りながら冷気が出てきた。
『爺さん、久しぶりに出てきてボケてるよ』
『失礼ですよ』
だってそうじゃんとシトリーを見ながらセーレは云った。
『おぉ、おぉ、シトリーと………"マーレ"か、久しいな』
『お久しぶりです』
『セーレだよ!クソジジイ!』
『……さて……ほぉ』
『ロノウェ』は私を見た。
『エル様によく似てらっしゃる……まるで生き写しのように美しいですなぁ…』
「母上に…」
『私を得た時のエル様と近いお年頃ですなぁ…懐かしい……』
「おい、聞け。
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nanomio(プロフ) - 大丈夫ですよ! (2018年9月7日 22時) (レス) id: 4c39cbb966 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - nanomioさん» すみません (2018年8月28日 22時) (レス) id: dc75654661 (このIDを非表示/違反報告)
nanomio(プロフ) - 自分の名前など好きな名前にしたいんですけど。 (2018年8月9日 18時) (レス) id: 4c39cbb966 (このIDを非表示/違反報告)
傘(プロフ) - nanomioさん» どんな名前にしますか? (2018年8月9日 9時) (レス) id: dc75654661 (このIDを非表示/違反報告)
nanomio(プロフ) - 名前って変えられないんですか? (2018年8月3日 11時) (レス) id: 4c39cbb966 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:傘 | 作成日時:2016年12月18日 8時