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二十四 ページ24

目を覚ますとまたあの雪景色だった。


今度は雪の上で寝ていた。また寒くはない。


そしてまたあの空き地で声がする。行ってみた。



「このクソガキ!!!俺の兄上を!!」


「俺の親父も!!死ね!」



またあの子供が街の人に暴力を振るわれていた。前と増えて街の人は15人ほどだった。


またこの景色も見たことある。街の人たちの言葉も聞き覚えがある。


前とは違い、ただの暴力ではなさそうだ。


街の人からは"恨み"や怒り"ようなものが感じられる。


兄や父をどうされたのだろう。


子どもは暴力の中、泣きも叫びもしていなかった。死体のように。


私が与えた着物は着ていなかった。


相変わらず街の人たちは容赦なく殴る蹴るを繰り返していた。


前とは違う"恨み"や"怒り"はどこから来ているのだろうか。まさか子どもが何かをやらかしたのだろうか。


話を聞いて事情を知りたいが、街の人は私のことが見えていない。だとしたら声すら届かないはずだ。



「おまえが!!おまえが煌を呼んだんだろ!!」



煌を呼んだと云った。


こんなみすぼらしい子どもが煌を呼ぶことが出来るのだろうか。


子どもは縛られ、宙ずりにされた。


素手での暴力はなくなった。


木の棒や鉄の棒を街人は持ってきてそれで殴っていた。


子どもの口からは血が滴り落ちる。


こんなに恨んでいるのなら一層の事殺せばいい。なぜこんな酷いことを続けるのだろう。


そう考えていた矢先、一人の男が子どもに注射針を打った。



「…うっ…ああああああああああああああ!!」



子どもは街人達も驚くほどの声量で叫んだ。


それからジタバタと宙ずりなままで暴れた。


痛がっている。



「おい、何を打ち込んだんだ?」


「ヤママユガの幼虫の毒さ。一度人体実験をしてみたかったんだ。この毒でどんな症状が起こるのかを」


「死なないか?」



殴り続けていた街人が少し焦っているように見えた。



「さぁ、どうだろうね。初めて実験をしたから。研究では何時間も焼けるのような激痛だけで死ぬことはないけど、もしかしたら死んじゃうかなぁ」


「おい!死んでも俺らは責任取らねーぞ!おまえだからな!」


「何を云ってもこの街の住人は罰せられるよ」


「知らねーからな!」



不思議なやりとりだ。


子どもが死ぬと都合が悪いのだろうか。囲んでいた15人は帰って行った。


注射を打ち込んだ男は医者か研究者なのだろうか、子どもを観察し、メモをとっている。

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設定タグ:マギ , 煌帝国 , ジュダル
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nanomio(プロフ) - 大丈夫ですよ! (2018年9月7日 22時) (レス) id: 4c39cbb966 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - nanomioさん» すみません (2018年8月28日 22時) (レス) id: dc75654661 (このIDを非表示/違反報告)
nanomio(プロフ) - 自分の名前など好きな名前にしたいんですけど。 (2018年8月9日 18時) (レス) id: 4c39cbb966 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - nanomioさん» どんな名前にしますか? (2018年8月9日 9時) (レス) id: dc75654661 (このIDを非表示/違反報告)
nanomio(プロフ) - 名前って変えられないんですか? (2018年8月3日 11時) (レス) id: 4c39cbb966 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2016年12月18日 8時

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