大好きな君へ偽り言葉【ハイキュー！】

さん ページ4

深呼吸をして研磨の背中を見上げる。



下校時間30分前という中途半端な時間帯、下駄箱には自分達二人しかいない。




研磨と同じバレー部の部員で、幼馴染であるクロこと黒尾鉄朗に協力してもらい一人で帰るように仕向けてもらった。




もっと正確にいえば
「いい加減じれったいんだよ！」
と、半ば強引に二人きりになるようにセッティングされたんだけど…




(…やばい、口から心臓でそう…)




ぎゅっとワイシャツを握ると驚くほど鼓動が速い。


足もガクガク震えている。




(どうしよう、やっぱ明日にしようかな)


ちらりと、弱気な自分が顔をのぞかせる。




なんとか踏みとどまれたのは幼馴染の照れた顔を思い出したからだ。


恋愛で重要なのはタイミングだと頭ではわかっている。



ためらっている間にすれ違ってしまう2人を少女漫画でこれでもかと見てきた。








勇気1秒。
後悔は一生だ。




(ーA A、ただいまより作戦を実行します！ー)

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