ダメ5 ページ5
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「…なんで抵抗しねぇ」
『……………は?』
「涙ぐんで堪えてんじゃねぇぞ。…どこまで人間らしいんだよ」
そう言うとこいつは やる気失せた、と呟いて私の上から退いた
もうその時の私の顔はポカンだった
真っ先に出す感情が分からなかった
怒りか恥ずかしさか怖さか
だけども頭より先に体が動くとはこのことで
あ、私怒ってる
と頭が自覚するより前に私は目の前のそいつをぶん殴っていた
「……、」
だけどそいつはビクともせずに私を見つめていて
あれ私めっちゃ力込めたはずなんだけどな??と思ったし
その態度にもうなんか腹が立ってしょうがなかった
私だってお前みたいな顔面派手男のチンに襲われたくなんかなかったけどさ
あの力に逆らうなんて無理でしょ??知らないかもだけど私ほぼ人間の女みたいなもんだよ。
それで逆らったらころされるかもしれないんなら、抵抗なんてしない
私は断じて死にたくないから、
それを全部言葉にしようと思ったけど、無理な話だった。まず度胸がないってのもあるけど
多分私は今ブス顔で泣いているんだろう
頬になにかが伝っているのがわかる。
「…地味じゃ、ねえな。お前は」
はは、また何言ってんだこいつ
と笑いそうになるが泣き顔で笑うのはキモすぎたのでちょっとやめておいた
だけどこいつは何を思ったのか私の溢れる涙をわざわざ拭いてくれた
…
それから派手男は夜によく私の部屋に訪れるようになり
嫁が3人いることを聞いた時はなんでか知らんけどもっかいぶん殴った。嫁がいるのに破廉恥すぎるカスダニゴミクズ!
そう責め立てると あの行為は私をブチ切れさせて
自分が怪我をすることで、私が危害がある鬼だと証明してから殺すとかいうトンドモ計画だったらしい
寒気してオシッコでた
「話せば話すほど、派手にお前が鬼に見えなくなる」
『まあ鬼なんだけどね。』
『でももし私も人だったら嫁候補してたかもね!どう?鬼の嫁』
「あ?」
『刀向けるのはあかんて』
『……まぁ、もしもの時はその刀で私を切ってよ』
そうボソリと言うと彼は黙って空を見ていた
あ、またなんか言うんじゃね?と思ったらなんも言わず私の頭を軽く撫でて「さっきの話考えてやらねぇこともねぇ」そう言って去っていった
なるほどね、うん。なる訳ねえだろ
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m - 初コメント失礼します。鬼舞辻推しとしては素晴らしい作品だなと思いました。そして、夢主ちゃんが泣き虫な点もこの作品の良いところだと思いました。これからも、作者様が明るい気持ちでこの作品に戻って来てくださることを願い、応援しております。 (2023年2月19日 1時) (レス) @page45 id: 6abbe396c0 (このIDを非表示/違反報告)
らいむ - 不死川さんオチを恵んで・・・ください・・・ バタ(倒れた) (2022年12月29日 15時) (レス) @page45 id: 7852438752 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - 途中で終わっていて寂しいですてんまた更新されるのを楽しみにしてます (2022年8月6日 21時) (レス) @page45 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - お話が更新されていて、とても嬉しいです! (2021年11月18日 12時) (レス) id: 92e3ef3143 (このIDを非表示/違反報告)
こたちゃん信者(プロフ) - むいくん、小芭内、天元様のオチを見てみたいです! (2021年8月18日 15時) (レス) id: 74c0c321e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:桜花 | 作成日時:2019年8月10日 20時