十五躍 どんだけ寒くても話は前見て聞け ページ15
「てか、そもそも何でお前あの時早く帰ったアルカ?」
突然の神楽の質問に沖田は片眉をあげる。
「は?いつの話だソレ」
「去年の秋ヨ。私の誕生日、ほとんどクラス全員で企画してくれたヤツ」
「……ああ、アレか」
沖田は思い出したかのように口を開いた。
「…別に大した理由なんてねェ。俺がいたらお前ェ喧嘩ばっかで楽しくねェだろィ?」
「あ、今更カッコイイ嘘のセリフ言わなくても全部知ってるから誤魔化しても意味ないネ」
「…なっ、テメェ。何処でその事聞いて…」
「さっき屋上で高杉が話してくれた」
「…あの野郎、約束破りやがった。…殺す」
沖田は一気に黒いオーラを醸し出すが、神楽がいる事を思い出し慌てて引っ込める。
そう、まるで"ソレ"を彼女に隠すように。
「…や、今のは違うんでィ」
「………もう隠さなくてイイ。もう嘘つかなくてイイ。教えてくれないアルカ、お前が"ソレ"を隠すどうしても言えなかった理由」
「…本当に全部聞いたんだな」
神楽は肯定するようにコクっと頷くと、彼から目を背け流し目をする。
「…でも、どうしても嫌なら追求はしないネ」
その態度に沖田は「ハァ…」と大きくため息をついた。
「何、今更しおらしくしてんでィ。テメェが今さっき教えてほしいって言ったんだろうが」
「…だって、ずっとそんなに隠してたって事は相当な理由があんダロ…?」
「ああ、だからソレを教えてやるって言ってんでィ」
沖田は昔の思い出を辿るようにゆっくりと話し始めた。
****
…その頃、取り残された神威たちは。
また子はあの後、「やっぱり晋助様のトコ行ってくるッス。どうせそろばん教室だけど」と言い残し、現在この場には神威と信女、二人きりであった。
「今頃仲直りしてんのかな〜、あの二人」
「まあ大丈夫じゃない?なんだかんだ言ってあの二人、一番お互いの事認め合ってるし」
「でも、その分苦労するよね〜。アイツらじゃなくて俺らが」
その言葉に信女は少し苦笑しながら上全体に広がる大空を仰いだ。
ーー神楽…………、意地でも仲直りしてこなかったら…、斬るから。
そんな信女の黒い思いなど知ってか知らずか神威はまたニコっと笑ったのだった。
****
「……それで、…ってちゃんと聞いてんのかクソチャイナ」
「…う、うるさいネ。…な、なんか急に寒気が……」
………その黒い思いは急な悪寒となって、彼女に届いていたのだった。
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白玉(プロフ) - 面白すぎる..さすがプリン!!ww (2017年10月1日 8時) (レス) id: d7b0293ef7 (このIDを非表示/違反報告)
プリンちゃま(別垢)(プロフ) - みかんさん» みかんさん、ありがとうございます!『面白い』と評価して下さってマジで嬉しいです!!これからも応援ヨロシクお願いします★ (2017年4月8日 20時) (レス) id: 5afe51ca08 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - とっても面白かったです!沖田と神楽の所が特に面白いです!これからも更新頑張ってください!応援しています! (2017年4月8日 19時) (レス) id: 7cb491045b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:交差点プリン | 作成日時:2017年3月31日 18時