第十八話 金木犀 ページ19
「石川さん！」
太刀川隊の隊室の扉が機械音と共に開いたと同時に敦が飛び込んできた。
その顔は安心したように、嬉しそうに笑みを浮かべていた。
『敦さん 風間様と迅様も・・・
ご迷惑をお掛けして申し訳ございません』
ぺこりと頭を下げ淳は謝った。
迅は「
「石川さんの所為じゃ無いですよ
誘拐紛いの事したの太刀川さんだし」
迅は苦笑い「あ そうだ」と思い出したように云った。
「太刀川さん 忍田さんが怒ってたよ？
「今回の件を解決するために捜査をしてくれてる人
たちに何て事してんだ！」
って」
忍田の真似をする迅に太刀川は肩を落とした。
「絶対後で忍田さんに呼び出されるよ・・・・・」
「ご愁傷様」
ぼんち揚げを食べながら迅は大して興味も無さそうに云った。
『ではそろそろ行きましょうか
初日にして何の捜査もしていないと後が面倒なの
で』
その言葉に太刀川は「うっ」と言葉を詰まらせた。
出水たちは苦笑いを浮かべる。
『お世話になりました』
敦と迅と風間、そして淳を見送ると隊室の扉は閉まった。
部屋の中にはまだ微かに金木犀の香りが漂っている。
「そう云えば」と出水は金木犀の香りを嗅ぎながら云った。
「金木犀って花言葉が何個か或るらしいですよ？」
「へぇ どんな花言葉なんですか？」唯我は飴色の髪の少年を見ながら云った。
「確か 花言葉は五つ或って
「謙虚」
「気高い人」
「真実」
「陶酔」
確か最後は＿＿＿＿」
銀髪に夕陽色の瞳を持った淳の姿を思い出す。
「『初恋』」
あんなに綺麗な人の初恋相手は一体誰なのだろうか。
出水は独り、そう考えていた。
.
.
.
敦さん、敦さん＿＿＿＿。
カタコトと心地よく揺れ夢心地だった敦は自分を呼ぶ声で目を覚ました。
『敦さんそろそろ起きてください
ヨコハマに着きますよ』
列車の窓から外を見れば外は暗く一目で夜だと判る。
未だにぼうっとした頭で訊く。
「あれ 捜査・・・・・」
『寝惚けているんですね』
彼女は『ふふふ』と笑って敦の頭を優しく撫でた。
『捜査なら終わって今日は帰る処じゃないですか
きっと疲れているのですね』
淳の言葉に敦の頭は覚醒して行く。
嗚呼、そうだった。
思い出した。
敦は彼女の夕陽色の瞳を見ながら深く息を吐いた、
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 133人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ミリアさん» コメントありがとうございます。ワートリと文ストのクロスオーバーの話なら考えているのですが銀魂の方は大まかなストーリしか知っていないのでご期待に添えるかは分かりません。なかなか占ツクに顔を出す事が出来ませんがこれからも宜しくお願いします。 (2017年9月23日 18時) (
レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ミリア - 凄く気に入った作品で大好きですもし今後他の作品を作る予定があったらワールドトリガーとコラボかトリップか転生した黒バスかアニメKか銀魂の銀時か高杉の姉か妹の作品が読んでみたいです説明が下手ならすみませんこれからも体調にきよつけてがんばてください。 (2017年9月23日 16時) (レス) id: 14f5017be6 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ひかるさん» コメントありがとうございます。なかなか占ツクに浮上する事ができませんが更新頑張りたいと思います。 (2017年6月17日 22時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - ｳｫｫｫ！続きが気になります。(>_<)更新頑張って下さい！ (2017年6月17日 14時) (レス) id: c10de46325 (このIDを非表示/違反報告)
RAIN@元アラジンlove(プロフ) - ふにゃたさん» コメントありがとうございます。更新頑張りたいと思います。 (2017年4月3日 21時) (レス) id: 5aca2d49f2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：雨雫 | 作成日時：2017年2月24日 23時
