帰り道の途中で ページ8
夢主side
少し歩いた頃、
米屋「んじゃ、オレここで曲がるから。また後でな〜!」
出水「う〜い。じゃあな〜」
『ばいばい〜。』
米屋君と別れた後、2人で暫く雑談をしながら歩いていた。
出水「そーだ、Aってなんか趣味とかあんの?」
『趣味……趣味って言えるのかはわかんないけど、絵を描くのが好きだよ。人に見せられる位の絵じゃ無いけど……』
出水「絵描けんの?!すっご!おれ絵なんて描けねぇからな〜。あっ、今度見せてくれよ!」
驚いた様な顔をした後、直ぐにぱぁっと笑顔になる。なんだか子供みたい……?
『うん、良いけど、そんなに上手くないよ?』
出水「いーのいーの!あ、おれん家ここだからなんかあったら寄ってこいよ〜。じゃあなA!」
『うん、じゃあね出水くん』
少し手を振り終わってまた歩く。2人の家からは少し遠いけど、まぁ苦では無い距離だ。
あと少しで家に着く。もう目の前にはマンションが───
【
急にサイレンとアナウンスが聞こえた。焦って目の前を見ると、1番に見えたのは黒い球体だ。その球体はビリビリと黒い稲妻を放ちながら少しづつ大きくなっていく。かなりの大きさになった時、中から"何か"が出てきた。
白くて大きい、二階建て程の大きさのある何かがあの
『なに、あ…れ………逃げなきゃ…嘘、足……動かな、』
どんどんとあの何かがこちらに近づいてくる。その振動が直に身体に響き、恐怖も相まってその場に倒れ込んでしまう。
『……ダメだ、私…ここで死ぬのかも……もっとあの二人と喋りたかった、なぁ……』
目の前には大きな白が。その白は口を大きく開けてこちらを見てきた。もうダメだと確信する。辺りには誰も居ない。誰も助けには来ない。
無意識にぽろぽろと涙が出てくる。ここで仲良くなった米屋くんと出水くん。あの二人は無事だといいな。
口が目の前に。怖くて、目をぎゅ、と瞑る。
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作者名:とめぇとぉ | 作成日時:2021年3月31日 0時