てをつなごう (ページ4)

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君が生まれた日ページ4

「んん～！」

「和～…。」

「なんでお前がそんな顔してんだよ＾＾；」

「あぁ～！」

予定日より少し早いけど、もうすぐで我が子と会える、んだけど…。

なかなか進みが悪いらしい。

小柄な和だから、体力もあまりないし、これ以上は危ないって。

「和、雪降ってるよ。すごいね。なかなか都会は降らないのに。」

「な、んで、、いまそれを…あぁ！」

「あ、満月だ～。」

「んあぁ～！」

「先生、全開です！」

月の引力の関係か、満月はいつもより子どもが生まれるらしい。

「あ、あ、あ、ああぁ！」

「和！あとちょっと！」

「頭出たからね～。ゆっくり息吐いてね～。次の陣痛で出しまーす」

子宮口が全開になってからしばらくたって、今まで以上に痛み出した和。

「あとちょっと！もう少しで会えるよ！」

「はっ、はっ、はっ！」

「っぎゃぁ～！っぎゃぁ～！」

「おめでとうございまーす、男の子でーす」

「はっ、あ…。かわいい…。」

「和、ありがとう。ありがとう、ほんとに！」

「おめでとう、和。」

立ち会い出産希望だったから、おれも一緒にいて、看護師が足りなくて、夜勤だった潤も駆り出されてきてて、一緒に息子の誕生を迎えた。

「んふふ、かわい～」

「うん、うん！」

「兄貴、泣きすぎ」

「泣きすぎ、まーくん」

「ら、らって～；；」

感動だよ～！
逆に、どうしてそんなに冷静なの、同級生コンビは。

「なんか、冷静にしていなきゃいけない気がする。」

「うん、同じく。」

「かわいいよぉ～！」

「パパさんも抱っこしてみようか～。」

「はいっ！」

和の胸の上にいた赤ちゃんが、俺の腕のなかに…。
あぁ…

「生まれてきてくれて、ありがとう…！」

「っぎゃぁ！っぎゃぁ！」

「あはは、パパが分かるの～。よかったね～＾＾」

オペ明けの大ちゃんも駆けつけて

「よかった、無事生まれてよかった～！」

「大ちゃ～ん！」

「よかったね～！雅紀～！」

「なんか、余計に感動に浸れないんだけど。」

「かわいそうに。」

「ま、いーや。それほど、みんなが待っててくれたってことだから。」

「そうだな。」

小さい体で、壊れそうなその子を。
パパとママは、精一杯守るからね。

「和、ありがとう。」

「こちらこそ、ありがとう。」

「名前なんだけどね？」

「うん？」

「翔って、どうかな？」

「いい名前だね、翔くん。」

我が家の新メンバーは、翔という名前になりました。