てをつなごう (ページ11)

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決断ページ11

翔ちゃんの治療について、先生からお話があるって…。

「なんだろうね…？」

「退院とか？あ、外泊許可？」

「無理だよ。免疫抑制剤入れてるし、輸血だってしてるから。」

「そっか…。」

まーくんと2人で来てくれって。
お兄ちゃんと潤くんは、もう話を聞いてるって言ってた。

あまりいい話じゃないんだろうな…。

「お待たせしました、こちらどうぞ。」

「あ、はい…。」

「あの、翔ちゃ…、翔は…？」

「いま、智先生と潤くんがみてますよ。」

「あ、はい…。」

まぁ確かに、寝てたから1人にして来ちゃったから、不安ではあったけど。

「現状、翔くんはこの分類で見ると最重症に近い、重症に分類されます。
免疫抑制剤も、あまり効果が得られていません。」

「そんな…。」

あんなに、大嫌いな注射頑張ってるのに…。

「なので、治療法を変えてみようと思います。」

「どんな治療になるんですか？」

「造血幹細胞移植を考えています。そのために、おふたりに検査を受けていただきたいのですが、よろしいでしょうか？」

「それで、翔は治るんですか？」

「可能性は上がります。今のまま治療を続けても効果が得られる確率は少ないです。」

「私たちが、翔のドナーになるということですか？」

「そうです。」

「和…？」

「検査、受けます。翔ちゃんを救えるのは、親の私たちだけなんだよ。いつ順番が回ってくるか分からないドナー登録しても、翔ちゃんの苦しみを長引かせるだけ。
救える可能性があるなら、それに賭けたい。」

「うん。」

翔ちゃんの親だから。

その後、先生から詳しい説明を聞いた。

兄弟がいれば一番可能性があるけれど、翔ちゃんはひとりっ子。
兄弟よりも可能性は低くなるけれど、まったくの他人よりか、親だから可能性が上がるみたい。

「検査、受けます！お願いします。」

「よろしくお願いします！」

「分かりました。」

翔ちゃんのためなら、なんだってできる。
あんなに子ども苦手だったのに。

「おかえり～」

「まー！」

「はいはい、待ってね～。」

「ぱー？」

「お待たせ～！」

「え、まーくんはやっ！」

「毎日やってるからね～。」

「慣れてるって訳ね。」

よく考えたら、部屋の中にいたから、あまりこんなのやらないよね。

「まー…」

「和～、はやーく！」

「はいはーい」

「まー！」

「はいはい！お待たせ～＾＾」

早く、ここから出られるようにしてあげるね、パパとママで。