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23話 ページ24

「私、銀時のことが好き」



「だった、じゃなくて?」



「うん」



「じゃあお前は今も好きでいてくれんの?俺のこと」





好きでいてくれる、なんて。

その言い方に胸がぎゅうっと締め付けられて、何も言えなかった。




「だんまりかよ」


銀時はははっと笑った。




10年前、愛のないキスを悪くないと思った。
それも今思い返せばよくわかる。






愛のないキスが悪くなかったのではない。

愛がなくとも、銀時に触れられることにどこか喜びを感じてる自分がいたんだ。


私たちが唇を重ねるのは、いつも銀時からだった。




私はそっと手を伸ばし、銀時の頰に手を当て、こちらへ引き寄せる。



身長差を埋めるように背伸びをして、彼に一つキスをした。

触れるだけの、キスを。





銀時が驚き、目を見開くのがわかった。




「俺さ、お前のこと好きだったって言ったよな」
「うん」


「今も好きだなんて言葉、かけてないよな」
「うん」





「それでもいいの?」




そう、今の私が望んでいるのは、最低な恋。


銀時を好きなのは私だけで、銀時は今私のことを好きではない。



なのに、私は求めている。

銀時からのキスを。


正真正銘、愛のない接吻を。

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- 最高です!胸がどきどきして止まらなかったです!泣きそうになりました。 (2023年1月8日 21時) (レス) @page28 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - kayaさん» そんな風に言ってもらえてとても嬉しいです!至らない点もあったかと思いますが、そう言ったコメントがとても励みになります。ありがとうございます! (2018年8月8日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
kaya(プロフ) - なんだか読み終わった後、目頭があつくて、気づいたら涙が出ていました。文章が綺麗な素敵な作品だったと思います。 (2018年8月8日 0時) (レス) id: 504932b45f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:けんそう | 作成日時:2018年6月10日 21時

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