3話 ページ4
声に出してから、気づいた。
慌てて口を閉じるが、出てしまった言葉を取り消すことはできない。
何言ってんだ、俺。
あいつはもう、死んだじゃないか。
暑さにやられてしまったのだろうか。
額に手を当て、自嘲気味に笑った。
Aがいるはずないと。
__それなのに。
「私のこと、呼びました?」
その女は、Aという名に反応した。
きょとんとした女の靡く紺色の髪も、
薄い茶色の瞳も、
華奢なその体も。
全部、Aにそっくりだ。
確かにAはあの日死んだ。
けれど、もしかしたら、なんて。
もしかしたら、生きているかもしれない。
そんな希望が俺の胸を燻る。
けれど。
「私たち、どこかで会ったことありましたっけ?」
胸に灯った微かな火は、直ぐに消されることとなった。
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凛 - とても良かったです! (2022年12月20日 19時) (レス) @page36 id: 0db889cc25 (このIDを非表示/違反報告)
けんそう(プロフ) - 岩長漆@三色団子と朧大事さん» ありがとうございます!そういったコメントが一番の励みになります!今後も皆さんにお話を届けられるよう頑張ります! (2018年6月11日 8時) (レス) id: aaf4aecbc2 (このIDを非表示/違反報告)
岩長漆@三色団子と朧大事(プロフ) - 突然失礼いたします、岩長と申します!けんそう様の作品読ませて頂き、とても感動しました!次作の方も頑張ってください!応援しております! (2018年6月10日 22時) (レス) id: c1dc633bc5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:けんそう | 作成日時:2018年2月10日 20時