episode124＿＿裏切り ページ28
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チームZ対チームＷの戦いは、意外な展開をむかえた。一方的、そういっても過言じゃない。あの鰐間兄弟がチームZの猛攻に手も足もでずに、三ゴール目を許した。その得点全てが久遠によるもので、きっとこの状況は誰も予想していなかった。
「あの子、今まであまり目立っていなかったのに、すごいですね！」
帝襟さんは興奮気味に言うけれど、絵心はじっと見据えたまま一言も発さなかった。かくいう私もさっきの絵心の言葉が引っかかって妙な違和感を拭いきれないでいる。
「(なんか、気持ち悪くなってきた)」
また胸を押さえた。なんだろう、この、味噌汁の、砂が抜けきってないアサリを噛んでしまった時のような感じは。得点は3-0、チームZがリードするかたちで前半を終えた。
───………
目の前で起きているのは、現実、なのだろうか。
『ここからは、12対10人でやろう』
いつもと変わらない笑顔でその狐目をさらに細めて、屈託のない笑顔で手を振る久遠に、視界が暗転した。──あぁ、嫌な予感の正体はこれだったんだ、私の杞憂なんかじゃなかった。
目の前で繰り広げられた光景に固唾を飲む。嫌な音を立てて鳴る心臓を押さえるように、服を掴んだ。
「(なんで、なんでよ久遠)」
三点を取って後半を迎えた第七試合。優勢にいたチームZは確実にパスを繋いで相手の様子を伺おうとしていた。だけど久遠が背後から忍び寄っていた鰐間兄にボールを奪われて、あっさり一点をもぎ取られた。
噛み合っていたはずの歯車が、突然狂いはじめた。
一点目を奪われた時、単に気が抜けてしまったのかなと思った。だけどその後も久遠のミスからボールは奪われて、あっという間に二点、三点目を許してしまった。らしくないミスの連発、そして決定打は最後のボールの競り合いで起きた。
「(今の、もしかしてわざ、と……？)」
飛んできたボールを久遠が武器を活かしてトラップしようとしたけれど、タイミングがズレて空振りした。その光景を目の当たりにした時、私の予感が確信に変わった。
──久遠は、チームZを裏切ってる。
「こんなのアリなんですか絵心さん！」
「まあ黙って見てろ」
「……ッ絵心さん！」
抗議する帝襟さんの傍らで、私は大事なものを取り上げられそうになった子供のように、一歩、また一歩と後退った。そして気づけば無意識に、踵を返して駆け出していた。
(絵心さん、止めなくてよかったんですか？)
(……ほっとけ)
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はもに(プロフ) - かっぱさん» かっぱさん、はじめまして！励みのコメントありがとうございます。一番なんてお言葉頂けて感無量です、、❕これからもご期待に添えられますよう頑張りますᵕ̈* (2023年2月20日 0時) (
レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
かっぱ - このお話本当に大好きで、一番気にいってます♡これからも応援してますね!! (2023年2月19日 21時) (レス) @page49 id: 3275caf583 (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 七子さん» 七子ちゃん、感想投げてくれてありがとう❕ ちょっとドギマギの三角関係ではあるけれど、話の落とし所はちゃんと決めてるので見守ってもらえると嬉しいᵕ̈* いつも応援してくれて励みもらってます！これからもよろしくね❣️ (2023年2月17日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
七子(プロフ) - 潔が好き⁈⁈⁈そんなの…そんなのあんまりよ‼︎二次創作でレオと存分にイチャつかせてやるんだから（現実逃避） (2023年2月15日 21時) (レス) @page35 id: 749c6d74de (このIDを非表示/違反報告)
はもに(プロフ) - 凛香奈さん» 凛香奈さん、初めまして！繰り返し読んでいただけてるという事実に感極まってしまいました🥲ここ最近更新の時間帯が不定期ですが、引き続き頑張っていきたいと思います！応援ありがとうございます🙇♂️とても励みになりました！ (2023年2月13日 0時) (レス) id: ad43313898 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はもに | 作成日時：2023年2月7日 18時
