第十二話 特異性 ページ12
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『彼処に見えるアパートの、2階の右端の部屋がお前の部屋だ。鍵は大家から貰え』
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ポートマフィア本部から数キロ離れた処にある小さなアパート。
本部近辺のアパートはもう埋まっているらしく、此処はどちらかというと武装探偵社に近いそうで。
本部を出る前の会話を思い出す。
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もし人虎に会えば八つ裂きにしろ、と芥川さんに無理難題を云われ八つ裂きに出来る訳無いでしょう、と返した。
すると、
『お前の異能力なら出来るだろう』
と当たり前の様に告げられた。
其処で、私はやっと自らの異能力の特異性に気付いたのだ。
触れる物を壊す異能力……人間に触れれば、人間をも壊す事が出来てしまうのではないかと。
幸い、此の異能力は使いこなせている様で、芥川さんと会った時は自分の身の危険を感じ取り無意識に発動してしまった、というのが芥川さんの見解だった。
処構わず暴走する事が無いのが救いだ。
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どうやらマフィアの傘下のアパートらしく、大家さんに鍵を貰う時、「あなた今日からなんだって? 頑張ってね」と訳知り顔で云われた。
カンカンと音を立てて階段を上り、部屋に入る。
玄関から畳の敷いてある寝室まで見えるほど小さな部屋だったが、私の身長ほどもある寝室の大きな窓と、何処か懐かしい雰囲気が気に入った。
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準備を済ませて蒲団に入り込むと、疲れているせいかすぐに睡魔が襲ってくる。
……明日、何するんだろう。
窓から外を見てみたが、ヨコハマの街は私が住んでいた処より何倍も明るくて、夜空の星は見えなかった。
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梓(プロフ) - 二つ結びの人さん» ありがとうございます…!励みになります! (2018年3月31日 10時) (レス) id: 72c3b0ba9c (このIDを非表示/違反報告)
二つ結びの人(プロフ) - こんばんは!!とっっても面白いです!!!この先が凄く気になります!これからも頑張ってください!!! (2018年3月28日 0時) (レス) id: 97c5c84046 (このIDを非表示/違反報告)
梓(プロフ) - 碧灯さん» 返信遅れてすみません…!そうです!住野よるさんの「よるのばけもの」をモデルにしています (2018年3月23日 22時) (レス) id: 72c3b0ba9c (このIDを非表示/違反報告)
碧灯(プロフ) - 初コメ失礼します! 質問なのですが、主人公の名前と異能力って 住野よる さんをモデルにしていらっしゃいますか? (2018年3月16日 19時) (レス) id: 391be2aaba (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:梓 | 作成日時:2017年8月13日 12時