第二話 ページ6
「たまたまな
ほら、A、おはようさんしような」
そう言われ、ゆっくりとおじいちゃんとお父さんの間にあった膳の所に降ろされ座る。
「おはよう、おじいちゃん」
「おう、おはようA。今日も相変わらずの別嬪さんじゃのう」
「それもう毎日言ってるじゃねぇか」
「当たり前じゃろう別嬪なのは事実じゃ」
そう、お父さんとおじいちゃんのこの話ももう何回めだろうか。
と言うか、二人ともやけに私に甘いのを何とかして欲しい。
毎日可愛い、別嬪さんと言われてもはやそれを言わないと病気になるの?レベルだ
それに加えての過保護っぷりも尋常じゃあない。他人視点から見ればもう引くんじゃないかと思われる位だ
こんな事じゃ先が思いやられ過ぎる、なんて子供らしからぬことを考えながら二人の話を聞いているとご飯を作り終えたお母さん達が入って来た
「あらあら、Aちゃんおはよう」
「おはようお母さん」
「ふふ、今日も可愛いわねぇ」
そう言葉を交わした後、皆が揃ってきたのを見ると皆で手を合わせる。
そして隣にいた父とおじいちゃんが挨拶をする
それを合図に前に置かれたお膳に皆が手を付け始めた
私も皆よりかは少なめに盛られた食事を食べる
今日の料理は白米、焼き鮭、味噌汁、漬物と言った健康的なザ・和食である。それを口に運び、もきゅもきゅとよく噛んで食べていく
そうやって食べていると、隣にいた父さんが私の口元に着いていたご飯粒を取ってくれたりする。
それを態々、ぺろりと親指に着いた米粒を食べてしまう所は本当に子供の私から見ても色気爆発だなぁとしみじみ思う
そんな風にしてご飯を食べ終わる頃、おじいちゃんが急に私の方を見て口を開いた。
「のう、A」
「なぁに、おじいちゃん」
「Aももう3つになった。……そろそろ、わしの後を継ぐこと考えられたかのう?」
そうおじいちゃんの口から紡がれた言葉に、近くで食べていた妖怪たちが皆箸やらを落としてしまった
隣にいたお父さんも目を見開いている。お母さんは相変わらず「あらあら〜」なんて言ってふわふわしていた
「おいおい、親父。急に何言いやがる」
「急も何も、わしゃあAが来た頃から言うておるじゃないか。
無論、お前にも子がもうすぐ出来るのも知っておる。じゃがわしはこの子にも継承権はあると思うとる」
「親父……」
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遊星(プロフ) - 千本桜さん» 分かりました (2020年6月23日 0時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
千本桜(プロフ) - 遊星さん» 閲覧、ありがとうございます!更新停止になっていましたか!?少々、コチラで調べてみます。教えて頂きありがとうございます!これから更新は続けて行きますので、よろしくお願いします (2020年6月22日 23時) (レス) id: e733f5adaf (このIDを非表示/違反報告)
千本桜(プロフ) - シルバーウルフさん» 閲覧、ありがとうございます!これからどんどん更新を怠らぬように頑張って行きますので、今後ともこの小説をよろしくお願いします (2020年6月22日 23時) (レス) id: e733f5adaf (このIDを非表示/違反報告)
遊星(プロフ) - 更新停止になってますが大丈夫ですか?素敵な話なのに更新停止は勿体無いです。早く続き読みたいです。 (2020年6月22日 23時) (レス) id: cc3dcebb37 (このIDを非表示/違反報告)
シルバーウルフ - 設定が凄く面白いですね。(o・ω・o)更新楽しみにしてます。(o^O^o) (2020年6月22日 18時) (レス) id: 769a4deb70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千本桜 | 作成日時:2020年6月22日 14時