【FGO】純血ノ少女 (ページ6)

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第二話幼き少女ページ6

〜ロマニside〜

……さて、どうしたものか。そう考え出して、数分。僕の目の前には、顔を俯かせた幼い少女。基、オルガマリー所長が連れて来た"逸材"。

この歳で、【マスター適正S越え】を軽く叩きだしその身に宿す魔力量は半端なモノじゃない。
そして、やけに目につく綺麗な髪とオッドアイの瞳。

イスに座っている少女は、ただただ先程から顔を俯かせ着ている白のダボッとした簡素なワンピースの膝上に両手を乗せて黙っていた。

この歳の少女なら、急に変な場所に連れてこられれば泣いたり不安がりもするだろうに少女は此処に来てから一言も喋りもしていない。

－－だが、其れもまた納得してしまう理由が彼女にはあった。この子が来た日、オルガマリー所長から手渡されたこの子の詳細なことが書かれた書類。

それに目を通した時、酷く僕は震えた。【魔術教会】が行なってきた非道な実験の数々。そして、実験の詳細。

そして、魔術師たちが求めて止まなかったと言われる【純血の刻印】を宿しているとそこには事細かに書かれていた。

そして、追記には少女のメンタルについてだった。数年にわたる実験の行いにより、心と感情の喪失。そして、痛みに体制ができてしまいほぼ無痛状態になってしまったこと。

其れは、あまりに惨いことだった。目の前の幼い彼女がこれだけの事をやられ毎日耐え忍んでいたと考えると心がズキズキと痛んだ。

そんな事を、思うがまずは少女のことだ。とハッと我に返る。

ロ｢……僕は、ロマニ・アーキマン。ここ【カルデア】で医者として居るんだ。君の名前を聞いても？｣

そう、まずは自身の名を名乗るとずっと俯いていた少女が小さく静かに頭を上げた。そうして、僕の目を見てくる。

？「…………」

けれど、前の少女は一言も声を発さなかった少し戸惑っている感じも少しだけ感じ取れる。

ロ「そんなに緊張しなくて良いよ。此処には、君を傷つける人は居ないから。……それに、君については聞いているよ。
安心してほしい。だから、僕に君のことを教えてくれないかい？」

そう言うと、少女はキュッと小さくワンピースを握る。そして、小さくその口を開いた。

？「……なまえは、ありません。まえにいた、ばしょでは、ぜろとよばれていました」

そう、声は静かに聞いてあげなきゃ聞き取れないほどにか細く小さな声が僕の耳へと届いた。