目付きの悪いプロデューサーのES奮闘録【あんスタ】

9話 ページ11

｢…うわァ、ちょっと見ない間に随分と変わったね野良猫ちゃん｣


｢…泥棒猫って呼んでませんでしたっけ逆先先輩……｣


｢もうソラを取られたって気持ちはないシ、今の君の目付きの悪さと邪悪な雰囲気の纏い方が野良猫っぽかったから愛称を変えることにしたんダ｣




エレベーター前で逆先先輩と鉢合わせ、一緒に乗せてもらう事になった。

知っている顔だけれど、久しぶりすぎてなんか凄いアイドルに会った気分。

実際凄いアイドルだけど。





｢…先輩は飼い猫って感じしますよね｣


｢そウ？まぁボクはお利口さんだからネ｣




お利口さんな所というか、ツンデレ味とちょっとずる賢こそうな所が猫っぽいのですが。

相当疲れてるね、なんて私より小さいだろう顔を覗かせてくるからつい顔を見てため息。

ちょっとムッてしてたわ。
そりゃ顔みてため息つかれたら良い気しないよね。




｢…リズリン、かなり大変でショ｣


｢そりゃもう。蓮巳先輩とか、朔間先輩とかが頑張ってくれている所もありますけど……ちょっとキツイな。……先輩達がいなかったら私とっくに倒れてるかも｣


｢…随分、お喋りになったネ｣


｢生きる為の弊害です｣





いつだってご機嫌取りしないといけないからね。お偉い様のご機嫌取りは、私だけじゃなくて薫先輩も割と苦労してたな。

最近は慣れてきてしまったみたいだけれど。朔間先輩は流石というか、ね。



｢…キミを大切に思っている人達はキミが頑張っている事を知ってるヨ。

どうか理不尽に打ちのめされないでね。何かあったら誰かに頼るんだ。Aちゃんはもう、ひとりじゃないんだから｣



珍しく、眉を下げて優しく笑っている逆先先輩。

いつもはちょっと胡散臭い言葉けれど、日々の疲れで傷だらけの心にじんわりと染みていく。

あぁ、やっぱり魔法使いなんだ。




｢…私、やっぱりSwitchが好きです。逆先先輩と、宙くんと青葉先輩…皆さん、私の魔法使いです……｣




｢おや、それは嬉しいネ。でもボクとセンパイもキミの魔法使いになったらソラが拗ねちゃうかモ。

ソラ、ずっと野良猫ちゃんに会いたがってるヨ｣




｢……私も会いたいです…宙くんの笑顔に癒されたい……



……。





ていうか、エレベーター長くないですか｣





「…うん、確かに長＿＿＿あっ」
















……私も逆先先輩も、割とアホなところあると思うんですよね。階数押してないはさ、がち。










＿＿
入試終わったので、ただいま〜

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