さんじゅう ページ31
「すみませぇ〜ん、ご迷惑おかけしました〜」
「「……」」
……これは私悪くない。悪いのは常日頃から帯刀してる神崎先輩だ。
俯いたままプルプル震えている先輩。
そりゃそうだろうなぁ…
「んもー、今回ばっかりは感謝してよね〜…」
「…か、かたじけない……が!なぜ貴様がここに居るのだ!まさかAの事を追ってきたのか!この助平が!」
「そんな口きいていいのかな〜?颯馬きゅん?」
そうだね、羽風先輩の言う通りだと思う。
どんなに私怨があったとしても今回はそこの先輩に助けられちゃったんだし。
単刀直入に言うと、職質されました。
お巡りさんもちゃんと仕事してるって事だよね。
帯刀した男がこのチビ連れて歩いてんだもん。メモも見られてさらに怪しまれたし。
ちょうどそこに通り掛かった羽風先輩。
いつもなら無視したらしいけど、私もいたから声をかけてくれたとのこと。
先輩の巧みなトークスキルのおかげで連行は免れた。
それでいいのかお巡り。職務怠慢じゃありゃせんか?
さっきと言ってることが違う?
気にするでないぞよ。
「ところで初めましてだねぇ、Aちゃん?これから俺とデートしない?目つきは少し悪いけど可愛い顔してるね〜」
うわぁ。
「……」
「…ちょっと〜颯馬くんの背中に隠れないで?」
「…助平、少し待て。Aが何か我の背中を使って紙になにか書いておる」
書き終えた紙を羽風先輩に渡す。
軟弱な男なんてこちらから願い下げじゃ。幻滅されても知らんぞよ?
読み始めた羽風先輩の頬がじんわりと赤くなり始める。
女を舐めるな、ですな。
「…いやっ…あの〜…Aちゃん?…これ、なんで、知ってんの……?」
見てりゃあ分かりますよ。
いや別に羽風先輩は見てないけどね。
あんず先輩は沢山見てるから、そのついでで分かった。
行こう、というように先輩の裾を軽く引けばちょっと嬉しそうにしている。
なんとも言えない気分だ。
「…」
「うむ、そうであるな。ではな助平、我らはこの後用事があるゆえ失礼する。感謝はしているが、これでこれまでの行いが許されると思ったら大間違いであるからな」
「あ、…う、うんじゃあねばいばーい…」
キョドりすぎでは。
意外とウブい?
.
.
.
.
『あんず先輩という大本命がいるくせに変に声掛けないでください』
1066人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「あんスタ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
如月らしいです(プロフ) - 急にまるまるのこと出てきてびっくりしました!!かわいいですよね! (2022年12月3日 22時) (レス) @page5 id: 122eb5a4f8 (このIDを非表示/違反報告)
r - ユキトさん» わざとだと思います (2022年7月11日 8時) (レス) id: c7b0bd28c6 (このIDを非表示/違反報告)
ひ - 宙くん推しでして、宙くんの優しさに思わず涙が出てしまいました、、ありがとうございます、、! (2022年4月3日 16時) (レス) @page27 id: 051d399375 (このIDを非表示/違反報告)
あや(プロフ) - めっちゃ、好みです〜!応援してます…!!アル✴・アルマルちゃん、可愛いですよね…!!! (2022年3月13日 23時) (レス) @page5 id: 6359c85515 (このIDを非表示/違反報告)
ユキト(プロフ) - 15話のりょうりがぜっぴんって所がりょうりがべっぴんになってました。 (2021年12月11日 20時) (レス) @page16 id: acc4cdc8d9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼岸桜+α | 作成日時:2021年11月14日 12時