50話 頭痛 ページ8
レティのショックを受けたような声に、コネシマ隊長が驚いように目を見開く。
…コネシマ隊長も、そろそろ気づくかな…
「…何の話か知らんけど、とりあえず座らん?足疲れたわ」
対面の位置にレティが座り、それを取り囲むように鬱隊長とシャオロン隊長が座る。
…凄くつまらない。
いつものようにナイフを取り出して遊び始める。ほんと、慣れたもんだよ私も。
にしてもスパイの奴どうしようかな…このままじゃ膠着状態が続くだけで何一つ進まない。
ディスペアが本当にスパイだったとしたら色々変わってくるけど。
「なんや、考え事か?」
「ぁ……先輩おはようございます」
ナイフをスっと取られ、振り向けば微笑んだ先輩がそこに立ってた。…色んな意味で心臓に悪い…
「考え事って言うか、スパイの事について思う事がいくつかあって」
「あんまり進んでないからなぁ……そろそろ本腰入れとかんとな」
そろそろ、スパイも行動に移るはず。幹部がスパイの件で少しづつ動いていることにも優秀な奴なら気づいてるはずだ。
あくまでも、私の予想だけど。
先輩にナイフを返してもらおうと手を伸ばそうもしたその時。
突然、頭の中を鈍器で殴られているかのような感覚に陥る。
呻き声を上げ、思わず頭を抱えるが痛みは治まりそうにない。なんだよ、これ……
「A!…おい、大丈夫か…っ!」
「…せん、ぱ……っ、うっ……」
こんな時になんだってんだよ…!
力が抜け、椅子から崩れ床に倒れ込む。頭がどくどくと脈を打つ気持ちの悪い感覚に意識を持っていかれそうになる。
そして、扉が開く音が頭に響いた。必死に保とうとした意識のなか聞こえてきたのはショッピの声だった。
「Aさんいますか!チーノが、倒れました!!」
その言葉と謎の浮遊感を最後に、私は意識を手放した。
『真実を見せてあげる』
長い黒髪の女性が、そう私に囁いたような気がした。
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ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年6月6日 9時