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55話 中指を立てる ページ13

腹と足からどくどくと血が溢れて来るが気にせずに弾を避け流す。

一瞬、ふらっと体が傾いたが何とか踏みとどまり、相手の死角に入り込む。気が付かれないよう、されど迅速に相手の背中を取る。


「くっそ……どこいっ……」

「敵に背中を取られるなんて、最近のスパイはどうも無能が多いらしいな」


首にナイフを当て、少しくい込ませれば小さく悲鳴を漏らすディスペア。…所詮、こんなもんか。




「君の敗因を教えてやる。

1つ、遠距離武器は近接戦で不利だから。

2つ、目の前のことしか見えていなかった。もっと周りを見るべきだな。

3つ、私を…我々国を敵に回したこと。



まぁ、すぐにこの記憶も君の命も消えてなくなるんだけどね」


まだ反撃してこようと、銃を私に向けようとしてくるがその手を蹴り飛ばして銃を捨てさせる。

絶望に染まったその顔…君にピッタリなんじゃないの?


首を掻っ切れば辺りが紅に染る。汚い、汚れた紅。

動かなくなったディスペアを見て、なんだかおかしくなって笑えてきた。


あぁ、私このまま死ぬかも。

ディスペアの死体に向け、中指を立て嘲笑って言った。


「…はっ、雑魚乙…!!」




全身の力が抜け、体が傾きその場に倒れ込む。

結局、無茶してるわ…はは、笑えない。雑魚はどっちって話だわ…

馬鹿だな私は、ここで死んだら元も子もないってのに。


顔や体に誰のか分からない血がまとわり付き気持ちが悪い。

「A……!お前なんて無茶しよるねん!!ほんまっ、馬鹿野郎が!!」

「…ごめ……い」

「喋らんでええ…っ、くそ、もう少しはよ動けとったら…!」


先輩の悔しがる声に、声をかけようとしたがその力が残っておらず…

再び、私は意識を手放した。





ごめんなさい、ゾム先輩……
































__無茶したわねぇ…
























私が考え無しだった…私、このまま死ぬ?役目も果たせずに死ぬの…?

































__私がまだ死なせてあげないわよ。


あなたはこの国に、必要な存在だから

56話 不甲斐なし→←54話 開戦



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ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年6月6日 9時

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