56話 不甲斐なし ページ14
ゾムside
グルッペンに呼び出されすぐに総統室に向かい話を聞けば、Aが起きて既にディスペアという男の始末のために動いているとの事。
病み上がりがなに無茶しとんねん…
「A!!」
「っ!先輩…!」
Aの横に並んで走り、混乱させないようにグルッペンから聞いたことを話した。
「グルッペンから話聞いたわ!俺も手伝うわ」
「ありがとうございます!もう時間が無いんです先輩…!急がないとレティが死ぬ!」
何をこんなにも焦っているのか、俺には分からんかった。レティを死守しようとしているAの行動が理解出来ない。
それに、時間がないなんて。Aは何を知ってるんやろうか。
チーノとAにしか知りえない事があるのは分かってんけど、胸のモヤモヤは消えない。
いや……そんな事よりも、ディスペアの始末が先やな。
射撃場へ滑り込んで叫んだ。
「全員動くな!動いたやつから殺すで!!!」
大先生が大きく目を見開いていた。その隣のレティは少し混乱しているようにも見えた。
「…おい、何のつもりやねんこれ……」
「大先生、ちょい黙っててくれへんか」
今、Aの邪魔をするな。
突然走り出したAを指さして、レティが言った。
「大先生!Aちゃんがスパイなんだよ!!」
…アイツ、何言ってんねやろ………それに、大先生はなんでAに銃口を向けてんねん。
銃声の音が2発響き、Aの呻き声が聞こえた。
…これは、一体何が起きてん。俺は何すればええ…やべえ、落ち着け俺……
「なん、でや……?」
大先生の震えた呟きが、一気に俺を現実に引き戻した。腹と足から血を流すAを見て、情けなくも名前を叫ぶことしかできなかった。
「おい!何があってん!!」
入口からコネシマとシャオロンが入って来た。
「…まって、なんで……俺、何して…撃って、撃たんかったら、え……?」
混乱している大先生に声をかけようとした時、Aの声と共に倒れる音が聞こえた。ディスペアは、既に息を引き取っていた。
急いで駆け寄り、Aが意識を保っていることを確認する。
「A……!お前なんて無茶しよるねん!!ほんまっ、馬鹿野郎が!!」
「…ごめ……い」
「喋らんでええ…っ、くそ、もう少しはよ動けとったら…!おい!誰かすぐにしんぺい神呼んでこい!!」
完全に力が抜けたAの体を支え、自分の不甲斐なさを実感した。
☆☆
リプ返せなくてごめんな…
返せそうな時に返します!
2096人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai
作成日時:2020年6月6日 9時