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54話 開戦 ページ12

ロン・ディスペアの目的はレティを消すこと。正直この国のためなら…その方が、物理的な問題でなら良い。

その変わり、レティを信じきっている人達の精神的には深い傷を負わせることになるかもしれない。


そのリスクを考えたら、ディスペアの処罰……私がやるしかない。



「…あれ、Aさん…?!」

「…エーミールさん、レティさんが何処にいるか分かりますか…!」

「…今は、遠距離訓練所にいるのでは?」

「…っくそ」


呼び止めようとするエーミールさんを無視して全力で射撃場へ向かう。まずい、このままだと悪い方へ進む気がする。

それだけは回避しないと…!


「A!!」

「っ!先輩…!」


ゾム先輩が私の横を走り、やや焦ったような表情で走りながら言う。



「グルッペンから話聞いたわ!俺も手伝う」

「ありがとうございます!もう時間が無いんです先輩…!急がないとレティが死ぬ!」



射撃場の入口が見え、中へ滑り込みながら周りを見る。


「全員動くな!動いたやつから殺すで!!!」

ゾム先輩の怒声に動揺している隊員たち。探せ、どこに隠れてる。

レティは?鬱隊長とショッピがそばに居るなら大丈夫…だな。



ダガーナイフを取り出し両手で構える。

どっから来る……



「…おい、何のつもりやねんこれ……」

「大先生、ちょい黙っててくれへんか」


驚いたような、気に食わないような顔をしたレティと目が合い、面倒くさくなると感じた次の瞬間、右斜め前方から殺気を感じる。


…ヤバいな、間に合うか……?


いや、無理だ…まずい…っ!




私が走り出すと同時にレティが叫んだ。


「大先生!Aちゃんがスパイなんだよ!!」

「っ…!」


ああくっそ、あのクソ女が…!私に向けられた銃口に悔しく思いつつ、背中を向けた。

レティと殺気の元の射線に入り込んだ瞬間。


銃声とともに右足への激痛、腹に焼けるような熱さと衝撃が私を襲う。

「ああ゛っ……!」

「…っ〜…っA!!」


先輩の悲痛な声が聞こえる。

私の足元に溜まっていく血溜まりを一瞬見て、すぐにディスペアの方へ足を踏み出す。


「ちゃんと漬け込んだと思ってたんだけどなぁ…っ」

「っ、お前如きが私に漬け込めるとでも思ってたのか…?」


バンバンと銃を乱射してくるが、全てを流す。 なんで当たらないか…?







そんなの、実力の差に決まってんだろ

55話 中指を立てる→←53話 真聖女の使命



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ポンコツ - めっちゃ面白くてどんどん読めました!マジ神作! (2021年5月15日 8時) (レス) id: 325f452e67 (このIDを非表示/違反報告)
隻狼姫(プロフ) - えっ、おすすめに出てきたから見てみたら面白くて一気読みしてたんですけど、まさかお気に入り登録してるtwst小説の作者さんだったとは…そりゃ面白いわけですわ… (2020年10月7日 21時) (レス) id: efc986c11a (このIDを非表示/違反報告)
暁郗 - 次回が最終回…だと…!?うああああ……待ちきれないぃぃい…。むっちゃ楽しみです!! (2020年9月26日 0時) (レス) id: 14cb33816d (このIDを非表示/違反報告)
kiito - あぁー最終章に突入してしまった〜!嬉しいけど寂しい(´;ω;`) (2020年9月21日 22時) (レス) id: 840ffe907d (このIDを非表示/違反報告)
ぽんちゃ(プロフ) - レティまさか、、、味噌汁に*を、、!?だから夢主は*に関する本を教授のいる図書室から借りてキッチンで*を作ってから飲んで耐性を付けたんですか!!?(*←のところ合ってるか分かんない、、) (2020年9月16日 20時) (レス) id: c3d604437a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:彼岸桜+α | 作者ホームページ:http://uranai  
作成日時:2020年6月6日 9時

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