検索窓
今日:5 hit、昨日:5 hit、合計:103,713 hit

ページ35

国木田が醜態を晒し、太宰がそれを録画する。
与謝野先生、満足したナオミちゃん、そして私で女子会。
乱歩さんと社長、春野さんで親子のように花見を楽しむ。

死んでる敦君と潤君。
その横で交流と言う事で、二人でほのぼのと会話をしている賢治君と鏡花ちゃん。



宴もそろそろお開き。また未成年と社長、乱歩さんは先に帰った。店で飲み直すと言った与謝野先生は、春野さんと国木田を引き連れる。

太宰はいつの間にか消えていたので、私一人で片付けだ。まぁ、嫌いでは無いし、一人で楽しむ事もしたかったので好都合か。

「……桜……か……」

畳んだブルーシートを軽く払ってその上に腰掛ける。
塵、残った荷物を一纏めにして、隠して持ってきた日本酒を紙コップに注ぐ。
ヒラヒラと舞い散る花弁一つ。コップの中の酒に波紋を立てた。

「……風流だねぇ」
「本当に」

後ろを見ると、消えた太宰がヒラヒラと手を振っている。いつの間に帰ってきたんだこの男。
眉を下げて笑う。笑みを返され、太宰は私の隣に腰掛けた。

「私にも分けてくれ給えよ」
「えー……しょうがないなぁ」
「ふふ、Aさん大好き」

太宰に紙コップを渡す。受け取った所で、日本酒を注ぎ入れてやる。ボトルを置き、二人で桜を見上げた。風が私達二人を通り抜けていく。

「……時の流れって速いよね」
「嗚呼。本当に、あっという間だ」

日本酒を煽る。コップの中に三分の一残して、口を離す。ほう、と身体を熱を逃がす様に息が漏れる。隣でクスクスと笑われてしまった。彼に視線を向ける。

「何さ」
「ふふ、いや。こういう動作だと、何気に歳を感じるなぁって。老けたんじゃない?Aさん」
「あははっ、シバくぞ」

本音が出てしまった。いきなりディスって来るな。しかも笑顔で。取り敢えず、笑顔で返しておく。両手を上げて首を横に振られた。

「怖いなぁ……冗談だよ。どっちかって言うと、中学生に見える」
「そんなシバかれたいの?いい加減にしろよ?太宰」
「あはははっ!冗談さ」

笑い飛ばされた。冗談にしても、女性に対して年齢で弄ってくるなよ。溜息を吐き、桜をもう一度見上げる。桜吹雪が綺麗なものだ。

「……私は、後、どれ程の春を迎えられるのだろうね」

隣から、小さい呟きが聞こえた。何時死んでも可笑しくない様な仕事に、習慣。太宰の言葉には、少しの違和感と不安を覚えた。

「わからないよ。ただ、時は過ぎ去るばかりだ。楽しい事も、嫌な事もね」

桜の花弁は夜空に昇る。

ウーロンハイ『与謝野晶子』!百合注意!※やこさんリクエスト→←※



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (77 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
153人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

いちご(プロフ) - ミラから来たぞおおおぉ! に、しても評価凄いですね!Σ(゚ロ゚;) (2020年6月21日 14時) (レス) id: 3cbabf2902 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - 道化さん» 全然OKです。後見させてもらいました、兎に角好き(語彙力Maxです。 (2019年8月4日 17時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - 書かせて頂きました!お仕事疲れとの事なので、ちょっと絡めたお話を。ゴーゴリ「頑張った子には、ご褒美がいるよね!私は分かっているのさ!」 (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
道化(プロフ) - モフ子さん» 了解しました!リクエスト内容は、シリーズ最新作の「恋は下心」の方に投稿させて頂きますが、大丈夫でしょうか? (2019年8月2日 18時) (レス) id: 915e79c273 (このIDを非表示/違反報告)
モフ子 - リクエストしても宜しいでしょうか?天人五衰のゴーゴリ君っていいですか?シチュエーションは何でも構わないのでお願いします!仕事帰りに癒されたい!どうか私の我儘を聞いて下され (2019年8月2日 11時) (レス) id: 7dc88695a1 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:jazz | 作成日時:2019年4月26日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。