【ぷよぷよ】大罪の黒魔道士 (ページ19)

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紅い魔物と怒りのぷよ勝負ページ19

｢させんぞ!!闇の魔導師!!｣

言い間違えに答えてきたのは、凛とした青年の声。くるりと振り返ると、そこには紅い魔物が息を切らして立っていた。

｢まものちゃん!!｣
｢まものちゃん？｣
｢さっき話した、魔力を溜めてもらってる私の使い魔｣

目を丸くし、声を大にしたA。余程驚いたらしい。聞き返すアルル。Aはこくりと頷いた。

｢そうか……あいつから二つの異なる魔力を感じるのはそういう事なんだな。だが、どちらも強い力だな……女も、使い魔も手に入れてやる!!｣
｢全くA、お前というやつは……！｣

だが、シェゾにはそんな事は関係ないようだ。言い間違えをそのままに、エスカレートしていく。だが、魔物はそれに構っている場合ではないらしい。シェゾを素通りし、持っていた分厚い本で、Aの頭を小突く。

｢いった!!角!?角でぶったね!?｣
｢お前が勝手にはぐれるのが悪いのだろう!｣
｢いや、はぐれたのはまものちゃんの方……いてっ!!｣
｢少しは反省の意を見せるがいい｣

こんな漫才の様な会話を繰り広げられ、サタン、シェゾ、アルルは置いてけぼりを食っていた。呆けていたが、一段落した時にシェゾが怒鳴る。

｢おいお前達!!オレを無視するな!!｣
｢……そうだったな……まずはお前から始末しなければならないか……闇の魔導師、我が主をたぶらかそうとした罪、償ってもらうぞ!!｣
｢なんだと!?俺はただ、その女とお前の力を……｣
｢言い訳ならば聞かんぞ｣

紅い魔物の怒りの矛先がシェゾに戻る。シェゾは必死に事実を話して弁解するが、魔物は納得する事は無かった。サタンはと言えば、これ幸いとばかりに、アルルとAにちょっかいをかけ始める。

｢アルル、A｣
｢何かな、サタン？｣
｢あやつが邪魔者を排除している間に、私と一緒に星空と月のハネムーンへと行こうではないか!!｣
｢行かないから!!｣

アルルは即答で拒否。Aは、無理な誘いをどう断ろうかと悩んでいる。そんな彼女達の目に、バチバチとした紅い電流がこちらに(正確にはサタンに)向かってくるのが見える。

｢……サタン様、後ろ｣
｢ん？……うごぁあああ!?｣

Aが呼びかけた時は既に遅く、振り向いたサタンに電流が直撃した。流れてきた方向を見る。紅い魔物がこちらに手を向けているのを捉えた。

｢邪魔者にはお前も含まれている。二人まとめて消し去ってやろう｣

魔物の瞳には闇、表情には影が。般若の如く恐ろしい……世に言うゲス顔をしていた。