【ぷよぷよ】大罪の黒魔道士 (ページ16)

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少女との出会いページ16

｢ぐぐ、ぐー……｣
｢身の程を知りなよ｣

結果は、最初こそ接戦だったがAの勝利。彼女の実力では、負ける事は珍しい様だ。だが、すぐ様笑顔に戻ったカーバンクル。少々、スッキリしたような面持ちである。

｢ぐっぐーぐ!!｣
｢うーん……満足した、という事で良いのだろうか……｣
｢ぐー！｣
｢カー君!!ここに居たんだね!!｣

Aは苦笑いをしながら呟き、手元のハルバードを肩に担ぎ直した。カーバンクルの背後から、青い衣装に身を包んだ少女が現れる。少女を見つけると、カーバンクルはすぐ様寄り添っていった。

｢ぐー！ぐっぐー!!｣
｢え、遊んで貰ったの？……君は誰？｣

距離が離れていたからだろう。少女はAに気付くのに時間が掛かったようだった。闇の魔導系統の気配に警戒し、臨戦態勢で尋ねた。

｢そう警戒しないでよ。って……無理かな。私は大罪の魔導師、A。ああ、危害を加える気は無いよ。安心して｣
｢そうなの？｣
｢うん。不安にさせて悪かったね｣

優しく微笑んで告げると、ホッと息を吐いて胸をなで下ろした少女は、ニコリと天真爛漫な笑顔になった。

｢大丈夫だよ!!ボクはアルルって言うんだ。よろしくね!!｣
｢ああ、よろしく｣
｢でも、びっくりした〜……｣

挨拶を交わした後、少女……もといアルルは苦笑いを零した。Aはその時に呟かれたことに対して、首を傾げた。

｢それまた、どうしてだい？｣
｢だって、サタンみたいに魔力があるんだもん｣

そう言われてしまい、ふむ、とサタンに言われた事を考えたA。そんなに魔力があるのは異端なのか、と自分のコンプレックスをつつかれた心地である。

｢ああ、私は異常体質の持ち主でね。大量に作る代わりに、溜め込むことが出来ないんだ｣
｢そうなの!?じゃあ、いっつもどうしてるのかな？｣

だが、アルルにそんな気が無いのはわかっているので、苦笑いで対応していた。理由を言えば、そこからまた驚いて質問を返される。

｢前までは魔力を意味なく撒き散らしながら生活してたかな。今では使い魔に溜めて貰ってるけどね｣
｢へぇ〜!!シェゾが聞いたら泣いて喜ぶだろうなぁ｣

アルルはAの答えに自分の知り合いを思い出し、発言。Aは、呟かれた人名に反応を示す。

｢シェゾ？どうしてその人が喜ぶのさ？｣
｢魔力が欲しいからだよ。それでいっつもボクを追いかけるんだ｣
｢へぇ……｣

ニヤリ、ほくそ笑むA。アルルは、その様子には気付いていない様だった。