ロリポップ ページ37
カラリ、コロリ。
耳を塞ぎ流れ込む音、手元にある文字列に忙し気な少女。その口から白い棒が出ており、先程の音の発信源となっていた。
白いベッドに寝転がり、口の中の甘い球体を転がすと、白い棒もまたぐるぐると動く。舌を上手く使い自身の唾液を甘く味付け飲み干す。
彼女の口が少し余裕を持てるほどに球体が小さくなった頃、重量を持ったものが布越しに慌ただしく硬いものを叩く音が近づく。
そして、少女の少し離れた部屋の入口が、バタン、と大きな音を立てた。その奥から息を切らして肩を震わす少年が現れる。
だが生憎、少女は聴覚を刺激する音の羅列で気付かないようだ。
メガネが特徴的で、見た目の温厚そうな少年は、もう我慢ならないとでも言いたげに少女に近づいた。そして、手頃な場所にある壁を叩き、少女に気付かせる。
だが、額に青筋を浮かべ、常人ならば背筋が凍る様な少年の笑顔も、彼女には効果が無いらしい。
ほんの一秒、いや、それにも満たないかもしれない。少女はちらりと視線をくれてやると、また手元の文字列を追い始めた。
その態度にさらに頭に来たのか、少年は勢いよく彼女の耳を塞ぐ物を取る。そこからは、ジャカジャカと騒がしいリズムを刻む音が漏れ出す。
そこで嫌々ながらも、ようやく話を聞く気になったらしい。カラコロと舌で球体を1周すると、音を止める。そして、球体を出さずにそのまま自身の口から空気を震わせた。
｢……何？｣
その声音は少女が不機嫌だと言うことを伝えるには十分なものだったと思われる。
そこでまた気が触れたのか額の青筋を増やし、声が震える少年。
｢いい加減にしろよ……A……｣
｢何が？｣
｢僕をパシってその後放置することだよ！｣
悪びれる様子のない少女はAと言うらしい。そして、目の前の存在から出た言葉から、声を抑える事にも頭が回らなくなった少年。
どうやら買い物に行かされた上に無視される事はよくある事らしい。そして、そのことに関して堪忍袋の尾が切れ、爆発している様子である。
｢別にいいじゃん？お駄賃もあげてるわけなんだし。一樹も怒んない、の！っと、な！お、キャラメルポップコーン味！｣
そんな事など気に止めることもなく、怒りながらも手にある袋を受け取り、中身を取り出す。
彼女の口から球体はとうに消えていたのか、棒をビニール袋を広げて入れてある黒いカゴに落とす。そして、流れる動作でぺろり、とまた新しく棒の付いた球体を口に放る。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 6人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリキャラ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
SARINA(プロフ) - 磯部里菜さん» ごめんなさい。文字数の関係で、直すことは困難でした。ですが、以後、気を付けます。 (2014年12月28日 12時) (
レス) id: 0ba63ab5cf (このIDを非表示/違反報告)
SARINA(プロフ) - 磯部里菜さん» ごめんなさい。趣味を始めたばかりで･･････わからないところもあるんです。教えていただきありがとうございます。 (2014年12月28日 11時) (レス) id: 0ba63ab5cf (このIDを非表示/違反報告)
磯部里菜(プロフ) - 文章のルールは、鉤括弧の前に句点を入れない、……(三点リーダー)は偶数個点が並ぶようにする、といったものがあります。理解してから書いてください。 (2014年12月28日 11時) (レス) id: 4e08e530c9 (このIDを非表示/違反報告)
SARINA(プロフ) - シノ。さん» そうなんですか！？ありがとうございます。 (2014年12月28日 10時) (レス) id: 0ba63ab5cf (このIDを非表示/違反報告)
シノ。(プロフ) - ・・・を…にしてみてはどうでしょう？ 文字数が違ってきますよ？ (2014年12月28日 10時) (レス) id: abf705269c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：jazz | 作成日時：2014年7月24日 19時
