【マギ】願い事 Ⅱ (ページ14)

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49話ページ14

今日は街。

アリスに無理を言って
来させてもらった

でも、彼はどうしても外せない会議が有るらしく彼の代わりに護衛が2人付いている

付いていると言っても…
遠くからコチラを見張っているだけなのだが

「凄いなぁ…」

久しぶりの街の並は
とても新鮮で刺激的だった

「みなさーん力自慢たちのショーやってますよー！」

人の流れに身を任せていると
そこには

『腕相撲大決戦！～何でも持ってけコノヤロー～』

そんな旗が掲げてあった

そして、その下では
男たちが腕相撲をしていた

その隣には美しいエメラルドグリーンのネックレスが男達に守られながら鎮座している

あれが優勝商品…！？

「…綺麗」

思わず見とれていると

ドンッ

「申し訳ございません。つい、よそ見を」

細身の男性が頭を下げる

「いえ、私の方こそ少し宝石に見とれてしまっていて」

男と目が合う

するとその男の人は
驚いたように目を丸くした

「貴方＿＿＿＿」

「…どうかなさいましたか？」

「いえ、知り合いに顔が似ていたものですから。」

ニコリと笑うとその人は
視線を舞台に戻した

いつの間にか
決勝戦まで進んでいたようだ

『美しい宝石はどちらの手に渡るのでしょうか！？
今年で8連覇が掛かる、サルマト１の力自慢ヴェルディ！

それに対するはシンドリア王国からはるばるやってきた屈強な戦士、赤髪の獅子マスルール！』

「…マスルール？」

「もうしかして、彼とお知り合いなんですか？」

「…分からない。けど、何処かで会った気がして」

私の言葉を聞いて男性はやり切れなさそうに微笑んだ

「彼は私の仲間なんです。貴方のような美しい方に知られているなんて…羨ましい」

彼の最後の言葉は盛大にうち鳴らされたコングによってかき消された

どうやら勝ったのは赤髪の男の様だ。

彼の手にはあの、ネックレス

「…やっぱり綺麗」

「あれはきっと大切な方に差し上げるつもりなのでしょう…それでは失礼致します、A様」

今度は優しく嬉しそうに微笑んだその人はでは、と言って人混みの中に消えてしまった

＿＿＿＿私の名前…

名を聞く間もなく言ってしまった。

でもあの人は…

『A。いつもありがとうございます

＿＿＿＿次の休み私と…』

もうしかしてあの人は…

「ジャーファル…さん？」