【マギ】 その手を 【ジャーファル】

プロローグ ページ1

拝啓、A＿＿＿＿




貴方が居なくなってから
今日で三年経ちます




自由奔放な貴方のことですから
またどこかで飄々(ひょうひょう)と生きているのでしょう




それとも、何処かで隠れて
見守っているのですかね…



わかっています



貴方の立場が複雑な所にあることも。






ただ、どうか
生きているのなら



もう1度君に会いたい



もう1度だけ、
声を聞かせて欲しい



出来ることなら
また二人で＿＿＿＿＿＿＿＿






.



.



.





グシャッ




「1度でいい…」



手の中で折れ曲がる一枚の紙



その上に一つ、また一つと涙が落ち
書いた文字が滲んでいった




「もう、やり直そうなんて言わない＿＿＿＿だから、戻って来いよ…」




誰に言ったわけでもない言葉が
大きな部屋に寂しく響く


彼にしては珍しく感情を表に出していた




「…。」




表情を曇らせたシンドバッドが何も言わず部屋の前を去る




＿＿＿＿これを知ったらお前はどうする？





彼女が煌に居ることを知ったら…




＿＿＿＿お前は彼女を諦められるのか？

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