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「え、商談...ですか」
「そう。センラくんと一緒にやってもらいたくてね」
「わかりました」
来週の火曜、14時からうちの第4会議室であるからよろしくね。あーあと!追加資料を経営企画部の子が持ってきてくれるらしいから!
そう言ってサラッと去っていった上司にAは困惑した。
隣にいたセンラもぽかんとしていたが、上司から強引に渡されたAの手にある書類をちらりと見て頑張ろか、と優しく笑った。
「...ん、そうだね。頑張る」
「そんな心配せんくてもええやん、俺も居るし」
そう話したのが今日の午前。
普段は開かないであろう時間。つまり、午後の業務が始まってしばらく経った頃にドアの開く音がしてAはそちらを振り返った。
「え、」
「あれ?Aやん」
「おー、坂田おつかれ。なんか用?」
「追加資料持ってきてん。担当センラ達やろ?」
「そういや坂田そっちの部署やったな、ありがと。貰っとくわ」
ちょうどドアの近くにいたセンラが反応し、Aは二人の会話をぼんやりと眺めていた。
坂田から厚みのあるファイルを受け取ると、センラはそれを机に置きに行く。彼が居なくなったのを狙っていたかのように坂田がAの方へと歩いてきた。
「久しぶりやな」
「うん、久しぶり...坂田ここだったんだ、」
「いやー、せやねん。センラと同じとこ受けてさ。にしてもセンラからAの話は聞いてへんなぁ」
アイツわざと隠したな、独り占めせえへんでもええやん。
そう言ってむすりと頬を膨らませる坂田にAは苦笑いをした。
センラと同様に顔が整っている坂田に女性社員は目が釘付けになり、一向に目を離す様子がない。
「ごめん、私コーヒー入れてくるからじゃあね。」
まだ坂田に目を奪われているから良いものの、慣れてくるとセンラの時のようにAを睨むようになってくる。
さすがに避けたいと思ったAは適当に嘘をついてその場から逃げた。
「...ふぅん、」
机に貼られた、連絡先の書かれた小さな付箋。
それを見て坂田は小さく舌打ちをした。
「...潰さなわからんのか、アイツ」
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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2022年7月10日 22時) (レス) @page18 id: 5ad0b4ef6a (このIDを非表示/違反報告)
ウル(プロフ) - めっちゃ面白かったです!応援しています!更新して下さるのを待ってます‼︎ (2021年11月17日 16時) (レス) @page18 id: 1d0d36f0fe (このIDを非表示/違反報告)
ぴっぴ - もう更新はされないのでしょうか...? (2021年10月16日 2時) (レス) id: 359457b5e0 (このIDを非表示/違反報告)
Haoto-ハオト(プロフ) - めっちゃ面白いです!!更新頑張ってください!!待ってます!! (2021年6月8日 5時) (レス) id: 17268be681 (このIDを非表示/違反報告)
リア - ファッ…凄い!凄く面白いです!こんなに夢中になった夢小説久しぶりかも…!自分のペースで頑張ってくださいね。応援してます! (2021年4月5日 22時) (レス) id: bba845c06e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かしや | 作成日時:2021年1月31日 17時