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梅雨明けは数日前に迎えた。

だが、この季節はやはり雨が多いため、せっかくの今日も雨が降っていた。

煩わしさは感じるが、前ほどに拒絶を覚えるわけではなかった。








龍友は傘を広げ歩き出した。

今日はあの人との約束の日だ。





少し早歩きで駅まで歩いていく。







「あの、お待たせしました」









そう声をかけると、こちらを振り返ってにこりと笑うその人。

そういや、名前もまだ知らないんだっけ。






「今日は生憎の雨ですね」


「でも、僕は嫌じゃないです。あ、お店この近くなんです。いきましょ」









並んで歩くと傘の幅分距離は遠くなる。

傘に雨が打ち付ける音のせいで、話しかける気が失せてしまう。




しかし、そんな沈黙の中でも特に気まずさは感じず、寧ろ心地いいとさえ思う。





この距離感が非常に心地よかった。







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作者名:秋(シュウ) | 作成日時:2018年6月29日 21時

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