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志麻side
「はい！おまちどうさま！！」
とん、と俺たちの前に平民が置いたのはビーフシチュー。ゴロゴロと大きく不揃いな肉が転がり、宮廷で食べるものとはかけ離れすぎていて正直食欲は湧かない。
ちらり、と坂田を見ると同じことを思っているのだろう。スプーンをもってはいるがその手は動いていない。
しかし、陛下は……Aは相変わらずひとつの無駄もない優雅な動きでスプーンを手に取ると、ビーフシチューの大きな肉を躊躇いもなくその形のいい唇の奥へ入れた。
「……陛下、あの」
躊躇いながらも口を開く。すると、陛下は見たこともない顔をしていた。
頬を赤く染め、目を少しだけ細めながらもぐもぐと口を動かす彼女。それは見たこともないほど可愛らしくて、正直かちんと思考が止まった。
『……何を躊躇っているの？お金なら私が奢るわ、気兼ねせずに食べてみなさい？驚くわよ』
陛下にそう言わしめたこのビーフシチューはそんなに美味しいのか。
坂田は不安そうにスプーンを手に取り、ビーフシチューの中に差し込む、俺も同じようにすると、意を決して口に誘った。
…瞬間、嘘かと思った。
口の中で一瞬で溶けた肉は程よく油を残し、旨みが舌に溶けていく。ビーフシチューの滑らかなルーは宮廷で食べるどんな高級料理や珍品よりも素朴で美味しかった。
「……うまい」
「え、え！？なんでこんな美味しいん！？」
驚いて声を上げた坂田。
俺は一言呟いてから、半ば本能的にビーフシチューにがっついた。テーブルマナーも気にせず、ただそれをあまりの美味しさに食べ進める。
気づけば坂田も俺の皿も綺麗に食べ尽くされていて。陛下はくすくすと笑みを零すと、まるでしてやった、と言わんばかりにほくそ笑んだ。
『美味しいでしょう？このお店は確かに居酒屋だけれども、ここのビーフシチューは最高なのよ。お忍びできたくなるのも分かるでしょう？市民の味、平民の味、って言うのかしらね』
「なあんにも特別なことはしとりゃせんけどね！」
豪快なおばさんの笑い声。それは店中に響いてほかのお客達もケラケラ笑い出す。
「……なぁ、坂田」
「なぁに？まーしぃ」
「………たまには、城下もええな。今度はうらたさんとセンラさん連れてこよ」
呟いた俺に、坂田は一瞬驚いたように目を見開くとうん！！と元気よく返事をした。
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ちょこ - 更新が止まってます！戻ってきてください！続き楽しみに待ってます！(´;ω;｀) (2019年9月8日 20時) (
レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
アニ姫(プロフ) - 更新待ってます！ (2019年8月3日 1時) (レス) id: c7348b9bbf (このIDを非表示/違反報告)
五月雨ちゃん(プロフ) - あの……、ハーブってもしかしてハープと間違えてますか？違ったらすみません。 (2019年3月16日 21時) (レス) id: b26fe46f51 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - さやかちゃん…( ；∀；)幸せになるの待ってます！更新、頑張って下さい！ (2019年3月15日 0時) (レス) id: 8661034d12 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury(プロフ) - まどマギだ！めっちゃすき！！！！更新頑張ってください！！ (2019年3月14日 22時) (レス) id: ef4b281085 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：アリス | 作成日時：2019年3月13日 21時
