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女王陛下 ページ2

皆さんは、女王というものにどんなイメージを持つであろうか。

艶やかなドレスを身にまとい、絢爛豪華な調度品に囲まれ、とても一人で食べきれないであろう珍品たちに舌鼓を打つ、そんなもの?

現実、私はそうではないと思う。



「…陛下、起きないとキスしちゃうよ?」


重たいまぶた。持ち上げるにはまだ気力が足りず、豪奢なベットで最高級の羽毛枕を抱き締めていた私の耳元でそんな低い声がした。


驚いた、否、驚いたふりをした私は瞼をどうにか根性で持ち上げ寝返りをしてそちらを見る。


「ふは、おはよう陛下。今日は俺だよ」

緑の大きな瞳をぱちぱちと機嫌良さげに動かし、形のいい唇を持ち上げる彼。
………うらた。私たち王家に使える分家の一族の優秀な家臣の1人。


『……もうそんな時間なの』


朝、眩しい光がらんらんと調度品たちに反射し目を刺してくる。私が体を起こすと、彼はすかさずベットの下にふわもこなスリッパを用意してくれた。


「寝癖、直してあげようか」

『いいわ、そのくらい自分で出来る。子供扱いしないでちょうだい』


未だなれない高圧的な口調。
女王としての威厳を持てと、元老院の老人達に叩き込まれたこれは、自分でも不快感を持つ。

しかし、彼はクスクスと笑みを浮かべたままいつも通り窓を開き執務を果たしていく。


『うらた、志麻と坂田、センラは?』

「俺と居るのにアイツらのことを気にするわけ?陛下は。……坂田は魔書の解読、センラは新しい法案の提出に元老院に。志麻くんは武器開発班の方に顔出しに行ってるよ」


私がほかの3人のことを尋ねれば、彼は面白いほどに機嫌を悪くする。
私からの寵愛を受け取り、4人からたった一人のもの選び子供を作る。それが彼ら分家達の中では至高の名誉であるのだ。

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ちょこ - 更新が止まってます!戻ってきてください!続き楽しみに待ってます!(´;ω;`) (2019年9月8日 20時) (レス) id: 1b1d47c664 (このIDを非表示/違反報告)
アニ姫(プロフ) - 更新待ってます! (2019年8月3日 1時) (レス) id: c7348b9bbf (このIDを非表示/違反報告)
五月雨ちゃん(プロフ) - あの……、ハーブってもしかしてハープと間違えてますか?違ったらすみません。 (2019年3月16日 21時) (レス) id: b26fe46f51 (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - さやかちゃん…( ;∀;)幸せになるの待ってます!更新、頑張って下さい! (2019年3月15日 0時) (レス) id: 8661034d12 (このIDを非表示/違反報告)
Mercury(プロフ) - まどマギだ!めっちゃすき!!!!更新頑張ってください!! (2019年3月14日 22時) (レス) id: ef4b281085 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:アリス | 作成日時:2019年3月13日 21時

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