検索窓
今日:126 hit、昨日:385 hit、合計:754,209 hit

じゅう ページ10

「まだかな〜まだかな〜ふっふーん」



晴天だ。雲ひとつないインスタ映えしそうな空。

そして何より風が良い。二学期ともなれば夏も終わりが見えてきて、たまにこうして涼しい風が吹いてくる。


私は自分のパンと、先生に呼び出され連れてかれた友のパンを中庭のベンチに並べて遊んでいた。ご機嫌な昼休みである。




「パン屋さんでも開くん?」



不意打ちだ。突如聞こえてきたイケメンボイスの関西弁。

そして何より顔が良い。二年生ともなれば後輩からも先輩からもキャーキャー言われて、バレンタインは半ば戦争だろう。



ギギ…とロボットのようなぎこちないお辞儀をする。



「………こ、んにちは」


「ありゃ。何や態度が元に戻ってへん?
俺ら一緒にマリオカートした仲やんな??」


「ヨッシーの助けがないと私は運転もできないし先輩と上手くコミュニケーションが取れません」


「いや、話せてる話せてる。それそれ」



満足そうに彼は私の隣にしゃがみ込んだ。ベンチはパン達が占領しているので座れないから、座るならそこなんだろうけど。


いや、なんかちょっと。



「近くないですか」


「Aちゃん頭ちっさいなぁ」


「あ、ありがとうございます」


「バレーボールみたいやな」


「それ褒めてない気がする……近くないですか?」



私が大袈裟なのではない。彼が元々パーソナルスペースが狭い人なんだと思う。

女の子にそんなに顔近づけたら、みんなこの人の事好きになりそうなんだけど。



「あー、そうやってファン増やしてるんだ」


「人聞き悪いわ〜人をたらしみたいに」


「…………………」


「否定せい」



チョップされた。痛くない。

じゅういち→←きゅう



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (2071 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
4521人がお気に入り
設定タグ:ハイキュー!! , 稲荷崎 , 宮治
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:- | 作成日時:2020年5月19日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。