お兄ちゃんのお友達【HQ!!】 (ページ13)

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じゅうさんページ13

「あの、先輩」

「Aちゃんもっと寄ってや。濡れてまうやろ」

「先輩、私はいいです」

「何言うてんの」

つ、伝わらない……！！！と顔を覆う。

人通りが少なくて誰にも見られていない(多分)なことが不幸中の幸いだけれど、この状況は非常にまずい。

近い。近い。肩当たってる。腰に手を添えられてる。いい匂いする。顔がいい。顔が、腰に手が！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！

状況を説明すると、我々は絶賛相合傘中である。

しかしガタイが良い先輩と入るには傘は少しばかり小さくて。少しでも距離を置こうとする私を、濡らさせないと言わんばかりに抑えているのである。

これセクハラだって訴えられないの？イケメンだからいいの？いや、私は全然いいんだけど、それより近い近い近い

「ほら、暴れんといて」

「～～～～～っ！！！っぐぅ！！」

もはや反論が声にならない。

イケメンフェイスのわりにゴリラみてえな握力で抑えられる。

一応私も運動部なのに、と恨めしげに睨む。先輩は傘を持ち替えて首を傾げた。は？あざと。

「なんか言いたげやな、言うてみ」

「このっ……たらし！！！」

「俺はそんなやろ」

「俺『は』？？誰と比べてるんですか」

「パツキンの方」

金髪の方が片割れの侑先輩だ、と友達が言っていたのを思い出す。

これ以上のたらしとなると、やはり関わらないのが吉だなと思った。

宮双子なんなん。ガールズキラーか。