じゅうよん ページ14
日本人の皆さんごきげんよう、ところで、台風というものをご存知だろうか。
ちなみに私は知ってはいるけども、最近ニュースを見なさすぎて近づいていることを把握してなかった。結果がこれだ。
「傘って儚くて脆い……」
「レイニーデイポエマーやな」
「中学生みたいな英訳」
部屋着で(いつもだが)やる気のなさそうな顔して玄関までタオルを持ってきてくれた兄に「喧しいわ」と噛み付く、隣のイケメンは制服を肌に貼り付けている。
そう、私の傘ちゃんは風に吹かれ勢い良く壊れ、私たちは無防備なまま走るほかなかったのだった。
ちなみに治先輩もゲリラや〜!とかなんとか言っていたので知らなかったぽい。案外私たちは似たもの同士なのかもしれない。
「先輩、お風呂多分湧いてるので入って下さい」
「いやいや、Aちゃんが先やろ」
「あー、いいよ治、多分Aそこは譲らないと思うから」
私にふわふわのタオルを渡しながら兄は言った。
伊達に生まれてからずっと付き添ってない。私のことをよくわかっている。
「……じゃあ一緒に入る?」
ちゅどーーーーーん!!!
こてん、と首を傾げながら彼が落としたのはそれはそれは大きな爆弾だった。いや、胸にミサイルを撃たれたという表現の方が合ってるかもしれない。
ぽたり、と前髪の水滴と一緒にタオルに赤い何かが落ちた。
「でてるでてる」
「……わぁ、鼻血久しぶりかも」
「ちょ、兄妹揃ってなんでそんな冷静やねん!!
やっぱAちゃんが風呂入ってきぃや!!!」
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作者名:- | 作成日時:2020年5月19日 15時