6.私はお姉ちゃん ページ6
***
「じゃあ新学期からは3人で登校しよ」
「Aをよろしくね、治くん。侑くん」
パスタをくるくると巻きながら流石だなぁと感心する。二人とも異常な程に打ち解けやすい。
侑くんはもう既にお母さんとは馬が合っている様子。治くんはパスタを食べるのに集中しているようだ。
リスのように頬を膨らませた治くんが満足気に言った。
「お義母さんのスパゲッティ上手いっす」
「パスタって言えや。田舎もんがバレるやろ」
「嬉しいわ。こんなのでいいならいつでも作るからね。
二人ともバレー部なんでしょう?お母さん頑張っちゃう!」
女神ーー!と歓声が上がる。
一日目とは思えないくらい賑やかな食卓だ。
***
「Aちゃんのこと、お姉ちゃんって呼んだ方がええの?」
お風呂から上がるとリビングには双子。
ソファーに座ってテレビを見ている。大きなテレビでやっていたのはバレーの試合だった。
そして何やらぽんぽんと叩いている。ここに座れ、ってことか。
二人の間に座って髪を拭いていると、治くんが聞いてきた。
「うーん?どうして…?」
「お義母さんって呼んでるし」
「どっちでもいいよ?治くんの好きなほうで」
お姉ちゃんって呼ばれるのを想像して少し恥ずかしくなった。なんか、照れるな。
正直呼んで欲しいという気持ちもないこともない。
呼びたい時に呼ぶわ、と治くんはテレビに向き直った。すると今度は逆側からタオルを奪い取られる。
「侑くん?」
3457人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ハイキュー」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:- | 作成日時:2020年3月13日 22時