5.オサムくん(銀色) ページ5
「……何話しとん」
「わ、びっくりした」
「じゃんけん負けたやつはすっこんどれや」
「シャワーあいたから言いに来たんや。
お前もとっとと汗流してこい」
座敷わらしみたいな現れ方をした銀色の彼。オサムくん。
「Aちゃんまたな!」と爽やかに笑う侑くんを追い出して、私の目の前に座った。どうやら選手交代らしい。
じとり。無表情ですごく見られている。おんなじ顔だけど、侑くんとは何かが違う。口角とか。
とりま挨拶だ。結局してないもん。いけ私。
「……はじめまして」
「Aちゃん肌綺麗やな」
「……!?は、はい?あっありがとう?」
どうして私は急に肌を褒められたんだろう。
嬉しいけど突拍子もない。
取り敢えずイケメンに褒められたのは嬉しかったので、プロ〇クティブありがとう。これからも使おう。
「えっと、オサムくん?」
「なに?」
「字はどうやって書くの?」
クソしょーもないこと聞いちゃったよ私。
実のある会話出来なくてごめんなさい…!と頭を抱える私に、彼は はわ…と悩んで、私の手を掴んで書いた。
突然のことに困惑する。手を。握られておる。
「ごめん、説明ができひんかった。コレやで」
「……ごめんオサムくん。緊張しちゃって何も感じなかったからもっかい書いて」
顔が熱い。震えながら謝ると、オサムくんは侑くんと同じ顔で笑った。
「なんやそれ、Aちゃんおもろいやん」
何がおもろいねん。
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作者名:- | 作成日時:2020年3月13日 22時