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夏の記憶は遠すぎて ページ1
「……はぁ……？」
長い夢を見た。
過去の記憶を固めたような、濃い夢だった。
「蛇に呑まれるわ存在しない場所に行くわアサシンさせられるわ歴史は守らされるわ……なんて人生なの」
布団から出て机の上を見れば、「重要書類」やら「国家機密」やら書類の入った封筒が積み重なっていた。
昨日は確か夜中まで書類に目を通して……通して……、あれ？ 寝落ちてた？
そういえば、と布団の方を見れば、案の定、近侍の村正が寝ていた。……しかも髪を抱えている。
明日からそのくぬぎなんちゃら中学校に行かなければいけないのに、制服くらいしか用意が出来ていない。
しかもその制服も昨日届いたばかりで着方もまだ教えていない。
ああでも書類も……。
「やってられんわ！」
封筒をあけながら、半ば泣くように叫んだ。
「蛇よ。ちょっと協力してくれ」
＜何だ＞
「今依り代用意するから私の代わりに書類書いてくれ」
＜なんと＞
「ええとええと……、おう、見習いちゃんを使えばいいな。サキちゃんー！」
＜ああ、行ってくる。お前はどうするんだ？＞
「霊力使って書類読む」
＜そうか。まあ、せいぜい死なないようにすることだな＞
「わーってるよ、つっちゃん」
＜その呼び方はそろそろ改めてくれないか？＞
「繋ぐからつっちゃんでいいでしょ？ ほら、行った行った！」
＜はあ＞
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作者ホームページ：http: 作成日時：2017年5月15日 23時
