悪には悪で撃つしかない ページ8
「…丸川、だよな?」
土方は目を見開いてそう発言する
「……偽物だけどな」
丸川がそう言った途端、ビリビリと顔を千切り出した
真選組三人は構えた
「俺はテメェらから見たらハッカーで、詐欺師だ
永風晴也、どーぞヨロシク」
「永風晴也って…詐欺師じゃ」
山崎は驚きながらそう言った
「詐欺師でもあるしハッカーでもあるんだ…」
丸川……いいや、永風は儚げに伝えた
「捜査に協力はどうやったらしてくれるんでィ」
沖田がそう言うと
「連れ去られた俺の妹を助けて欲しい」
「連れ去られた……?そんな事件はどこにも」
「当時、天人が強かったんだ。天人達が隠して誘、拐されたんだよ……詐欺師の言う事だから信じろなんて言わない。
ただ、妹さえ探してくれれば何も望まない。教えて欲しいことは俺が知ってる全てを話す」
「たった一人の家族なんだ」
昔話をさせてくれー
彼は『日光』の前にあった椅子に腰掛けた
母が怒鳴って俺に言う。
「全く何でお前は役に立たないんだい?!」
俺、昔はさ病弱だったんだ。家が元から貧乏で治せたはずの病も治せぬまま毎日過ごしてた。
家が貧乏なのは、父親がいないからってのが一番大きかったんだろうな
俺は病弱で女の力に負けるほどの軟弱だった
俺のせいで妹は苦労してお化粧も出来ず、綺麗な袴すらも着せてもらえることはなくただ男と汗をかいて働いていた
本当、凄いよな……病弱な俺に対しても優しかったんだ
「大丈夫だよお兄ちゃん。……その代わり、ちゃんと病に勝つんだよ?」
よく笑ってそう言った
母親が死んで、数年経った。
俺は前よりも遥かに動けるようになっていた
だから働いてた。働いていた、だけなんだ
仕事帰り、いつものように妹と家で夕ご飯を作っていたんだ
だけどその時
「女はいねぇか?!
……へぇ、いんじゃねーか」
「?!やめろ!!!」
天人共が家に五人入ってきて
妹が連れ去られた
俺はがむしゃらに叫んだ
奪うな
返せ
声が枯れかけても俺は叫んだ
俺は天人に押さえつけられ、妹は天人に髪の毛引っ張られて……
残念ながら、俺達が住んでいた家は人里より離れていてな、山を越えなきゃダメだったんだ。それが仇となった
未来の悪人を作るのはかつての極悪→←見えているのに気づかないのはちゃんと視ていないから
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作者名:鬼魂子 | 作成日時:2023年4月7日 23時